おおきな家に、ふたりきりで住んでいるローマイヤー夫妻。
とてもさみしいふたりは、ネコを飼おうと決めます。
出会ったのは、小さすぎてもらい手のつかない一匹のネコ。
ふたりはそのネコを引き取り、チビと名付けました。
ところがどうしたことでしょう。
チビの体はぐんぐん大きくなっていったのです。
ふつうのネコの大きさを越えて、ライオン並のサイズになっても、まだまだ大きくなっていきます。
「チビったら、いったいどこまで大きくなるのかしら?」
ある日ローマイヤーさんの家に、警察官、消防士、ライオンハンターまでがつめかけて大騒ぎに!
あまりにも大きくて危険だからと、檻に閉じこめるためにやってきたのです!
大きくなりすぎたチビは、いったいどうなってしまうのでしょう?
ベッドに寝そべる巨大なネコと、同じベッドで寝るちんまりと小さなローマイヤー夫妻。
そんなコミカルな表紙と、とぼけたタイトルがインパクトばつぐんの一冊。
もしも飼い猫がどんどん巨大になっていったら?
とっぴなアイデアから生まれる、ちょっと不思議でとってもとぼけた物語です。
巨大になってしまったチビにお気に入りのソファを取られて、コーヒー片手に少しむっとしているローマイヤーさん。
ローマイヤーさんの運転する横で、人間よろしくシートベルトをして助手席に収まっているチビ。
ほんとうだったら困るけど、なんだか笑えてきてしまう、かわいいシーンがもりだくさん!
大きくなりすぎたせいで怪物扱いのチビは、ローマイヤー夫妻と平穏に暮らすことはできないのでしょうか?
物語のゆくえをぐるりと変えるのは、大きなネコの、小さな恋─
(堀井拓馬 小説家)
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