ある日、ととさんのお腹が痛くなり、お寺の和尚さんに相談に行くと、和尚さんは「お腹に虫がいるせいだから、蛙をのむといい」と教えてくれます。教わったとおりに蛙をのみこむと、お腹にはいった蛙が虫を食ったのでお腹の痛いのはなおります。でも今度は、お腹の中で蛙が歩くので気持ちが悪くなり、また和尚さんに相談すると、「蛇をのむといい」といわれます。蛇の次は雉、というように前にのみこんだものを食べる動物を次々とのみこみます。その後は、雉を撃つ猟師をのみこみ、次に鬼をのみこみ、最後はお腹の中の鬼を退治するため和尚さんが「鬼はそとー」と、ととさんの口の中に豆を投げ込むと、お腹の鬼は「これは節分の豆だ。痛い痛い。たすけてくれえ」といって、尻の穴からとびだし逃げていくという落ちになっています。
このような聞いて笑える昔話は、とくに子どもたちの好むところです。節分の時期だけでなく、何度も何度も親子で読んでお楽しみください。
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