「どうかな、おもしろいのかな?」
たまごがキッチンで見つけたのは、おはなし会のはりがみ。そこには、いちじくが「手に汗にぎる大冒険」の話をすると書いてあるのです。マシュマロと相談した結果、二人とも参加してみることにします。暗くなったキッチンのくだものかごの前は、すでにおおにぎわい。そこへ、いちじくがあらわれ……
「こよいはなすは、まことの冒険の物語。
どうぞごゆるりとお楽しみください」
様子のおかしい町の問題を、賢い知恵と勇敢な立ち回りであっという間に解決していくお話や、宝を手に入れるあと一歩のところで大変な危機に遭遇する話、さらにその続きのお話まで、いちじくが大活躍する壮大な話が3つ。果たしてこれは、本当の話なのかどうか。ビスケットはいちじくの活躍に感心し、はっかあめは最前列で目をキラキラさせ、マシュマロは冷静な疑問を投げかけつつ、なんだか少し疑っているみたい? そんなみんなの様子を見ながら、いちじくはある言葉を投げかけます。
大人も子どもも虜にした不思議な絵童話『たまごのはなし』で衝撃を受けた皆さんにとって、待望だった第2弾の登場です。今回の主役はほらふきのいちじく。絶妙なリアル感を演出しながら紡いでいく彼の話術は、かなりの腕前。見事に心を振りまわされ、頭から離れなくなるのです。前作でクセになってしまった、たまごとマシュマロの味わい深い会話も健在。注目の絵本作家・しおたにまみこさんの世界はどこまで深まっていくのでしょう。楽しみで仕方がありませんね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む