
ヤギ飼いの男の子チャンゴは、ヤギに食べさせる柔らかい草を求めて、岩山を越え草原にやってきました。しかし急に激しい雷雨に遭い、チャンゴはヤギを連れて岩かげに隠れます。そのとき、チャンゴはヤギが1匹足りないことに気がつきました。嵐の中を探し回り、岩の上に黒い影を見つけて走り寄ると、それはヤギではなくリャマの子でした。チャンゴがやさしく抱きあげようとした途端、リャマは動物の守り神コケーナに変わって……。

アンデスならではのお話でしょう。
山岳地帯での暮らしは、決してたやすいものではないでしょう。
牧草を求めてヤギたちを移動させる光景が目に浮かびます。
そして自然の厳しさも想像できます。
はぐれてしまったヤギを探し歩くチャンゴの前に、コケーナという神さまが現れます。
コケーナはチャンゴに欲しいものを尋ねます。
チャンゴは試されたのです。
自分の富よりも、探しているヤギの居場所を知りたいと答えたチャンゴには、特別な幸せが訪れます。
絵にも清々しさがにじみ出ているお話でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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