絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  絵本紹介  >  見方がかわる・世界が広がる絵本5選

「見方がかわったり、世界がひろがったりする絵本、ありませんか?」
そんな読者の声に応えてくれた出版社さんから、とっておきの「おすすめ絵本」が届きました!

違う見方を知ることでぐーんと広がる、こころの世界。
いつか行ってみたいなと思う、世界の素敵な国々のこと。

絵本なら、時間も距離も、ときに時空も飛び越えて、
新しい世界へ私たちを連れて行ってくれます。
あなたも一緒に、素敵な絵本の世界へ行ってみませんか?

4月に募集した、読者のみなさんのエピソードを添えて、5作品を紹介します!

小学3年生の著者が見つけた大事な発見『二平方メートルの世界で』

  • 二平方メートルの世界で

    みどころ

    病室のベッドの大きさは、たて約二メートル、幅約一メートル。
    その周りをぐるりと囲うカーテンの中が入院中のわたしの世界のすべてーー。

    札幌に暮らす小学3年生の女の子、海音ちゃん。彼女は、脳神経の病気の治療のために、3歳の時から定期的に入退院を繰り返している。彼女は大抵の事は「わかっている」。なかなか効果の出ない治療だという事も、もっと痛い思いをして検査を受けている子がいるという事も、家族の住まいがバラバラになってしまう家があるという事も。どうしてわたしだけ、とは思わない。

    だけど、やっぱりつらい気持ちになる事がある。孤独を感じたり、怖くなることだってある。「もういや!」「薬を飲まなくていい日をください!」内から生まれるたくさんの言葉を飲みこむのは、家族みんな、それぞれが思いを抱えていることを知っているから。そんなある日、彼女の目に思わぬ光景が飛び込んできた……!

    主人公は実在の小学5年生、前田海音さん。彼女が3年生の時に書いた作文が 「子どもノンフィクション文学賞」を受賞し、絵本作家はたこうしろうさんとのコラボレーションにより、この一冊の絵本が誕生したのです。海音さんが見ている街や学校の風景、病院の様子。そして彼女の口から語られる言葉は、一つ一つどれも重みがあり、まっすぐに読む人の心に刺さってきます。けれどもそれは、悲しみだけではありません。私たちみんなが覚えておきたい、大切なことばかりなのです。

    「ひとりじゃないよ」

    ベッドの上で海音さんの見つけた大事な発見。この絵本を通して、きっとまた違う誰かに届いていきますように。
    (磯崎園子 絵本ナビ編集長)

みんなのコメント

作者、前田海音さん自身の入院や治療のこと、ご家族への思いとご本人の気持ちを読んで、家族が病気だった時のことを考えていました。
会ったことのない人同士が送りあっていたテーブルの裏の言葉は、患者さんの本当の気持ち。
この作品によって、多くの人に伝わります。(みいのさん)

8歳の頃、3歳の妹が一週間くらい入院したことがあって、でも病院には一度も連れて行ってもらえなかった。一週間で退院できるとわかっていたからだ、と今なら理解できる。けれど、もやもやしていた。もやもやを言葉に出来なかった。

もし当時この作品を読んでいたら、親に何て言っていただろう。妹にどんな言葉を掛けただろう。
8歳には戻れないけれど、いつだって心の世界を広げることは出来るから、誰かが飲み込んだ言葉に気付ける大人でありたいと強く思う。(kayogonさん)

二平方メートルの世界で エピソード詳細

自閉症のことがすーっとわかって、ちょっと身近に感じるお話『すずちゃんののうみそ 自閉症スペクトラム(ASD)のすずちゃんの、ママからのおてがみ』

みんなのコメント

自閉症のことをある程度理解しているつもりでいたけど、もし他の子どもたちから自閉症について質問されたら、どう答えようか悩みます。
すずちゃんのママのお話は、優しくてわかりやすくて伝わると思いました。(みいのさん)

すずちゃんの表情がかわいくて、眼がとても魅力的だった。現実の彼女もあんな目をしてるんだろうか。

幼いとき幼稚園で仲良かったダウン症の男の子。私は彼の優しさに何度も救われた記憶があって、でも周りの大人は「お世話してあげて偉いね」という反応だったのにモヤモヤした。

そんなことも思い出した。

いっしょに遊んだお友達にとってもすずちゃんありがとうっていう気持ちだったんだと思うよ。きっとずっと覚えてる。私みたいに。(つぐすけさん)

すずちゃんののうみそ エピソード詳細

自分のたいせつなものを失ったとき、あなたならどうする?!『シマをなくしたシマウマとうさん』

  • シマをなくしたシマウマとうさん

    みどころ

    「ヨーロッパ最後の秘境」と呼ばれているジョージア(旧グルジア)からやってきた、「自分とは何か」というアイデンティティーのおはなしです。

    ある日突然、「自分の一部だと思っていたもの」がなくなったらどうなるのでしょう?

    シマウマとうさんの場合は「シマ」でした。「シマ」ウマという名前がついているくらいですから、「シマ」がなくなったらいったい「何者」になるのか。自分がシマウマとうさんだったらと考えると、居ても立ってもいられない、不安な気持ちになってしまいますよね。
    不安と焦りから、なんとか「元の自分の姿」を取り戻そうとあれこれ試してみますが、一向に効果がありません。でも、シマウマとうさんは高所恐怖症のキリンさんとの出会い、「新しい自分」を発見することに――

    この物語からは、どんな変化が訪れても「丸ごとの自分を愛そう」というメッセージが強く伝わってきます。
    環境の変化などにより、これまでに積み上げてきた「自分らしさ」を喪失したように感じることを、「アイデンティティー・クライシス」といいます。親の都合で転校し、誰も顔見知りがいない生活が始まったときの不安感、がんばって勉強したのに試験に落ちた時の喪失感、好きな人に振られてしまった時の絶望感、妊娠・出産そして子育てで、社会から断絶された“別世界”へ迷い込んでしまった感覚。そんな風に、「自分はいったい何者だろう、今まで何をしてたんだろう」と考えこんでしまう瞬間が、人生には幾度もあると思います。そんなときに、シマウマとうさんの生き方が、大きなヒントになるかもしれません。

    悩みの部分だけ取り出すと、かなり深刻そう。でも、大らかなシマウマのかあさんとぼうやの振る舞いやとぼけたような表情が心を和ませてくれますし、なによりも、ラストで見せるシマウマとうさんの笑顔にほっと一安心。シマウマとうさんと一緒に、自分を見つける旅に出かけた気分が味わえます。

    (中村美奈子 絵本ナビライター)

みんなのコメント

日ごとにシマが消えてしまう症状で思い悩んでいるシマウマとうさんの悲壮感は、老化現象に苦労する今の私に似ているかも…。
キリンくんと出会ってからの気持ちの変化は見事。
生き生きとしたシマウマとうさん、ちょっとかっこいいです。(みいのさん)

”不屈の精神で立ち向かうわけでもなく”っていいなぁ…頑張れないときは受け入れることも大切ってことなのかな?読んでみたくなりました!(つぐすけさん)

シマをなくしたシマウマとうさん エピソード詳細

自分を認め、他者と支えあうことの素敵さ『すきなこと にがてなこと』

  • すきなこと にがてなこと

    みどころ

    ぼくはスポーツが大好き。ボールを使うと大活躍できる。でも……みんなの前で発表するのが苦手なんだ。そんな時は話すのが大好きなりんちゃんが一緒に発表してくれる。

    そのりんちゃんは、動物が苦手。飼育係の時には、動物大好きけんちゃんが手伝ってくれる。歌が大好きなソフィアちゃんは、工作が苦手。工作が得意なこうくんは、じっとしているのが苦手。

    誰だって好きなことがあれば、苦手なこともあるよね。

    それは大人だって同じ。料理が好きなお父さんに、運転が好きなお母さん。小さい子どもが苦手な郵便屋さんに、早起きが苦手な保育士さん。さらに「すき」「にがて」は国境だって越えていく。英語の得意なマリーちゃんはパソコンが苦手。ミンジュンはパソコンが得意だけれど……。

    苦手な事は克服するべきだと、前向きな気持ちで頑張ることは、もちろん大切だけれど。「にがて」が個性になり、どこかの誰かとつながっていき、「すき」が隣にいる人を助けることがある。そんな素敵な考え方もあるんだということを、この絵本は丁寧に優しく伝えてくれています。

    多様な人々が共生していける社会になるには「自分を認め、他者と支えあう」ということが不可欠です。こんなにも身近なところからスタートできるのだという発見は、大人になった私たちも含めて、見失ってはいけないことかもしれませんよね。

    (磯崎園子 絵本ナビ編集長)

みんなのコメント

先月、小学校入学前の長男にエールのつもりで読み聞かせしたところでした。
「つながってるじゃーん笑」と楽しそうに聞いてくれていましたが、次第に「いろんな子がいるってことだね」と妙に納得したような表情を見せて本を閉じました。

学校生活を送る中で、この本の1ページずつの場面が甦ってくれれば少しは彼の支えになってくれるかな?と期待してます。(朝枝ナオさん)

好きなことと苦手なこと、フォローしあうことでつながっているって素敵です。
年齢や国籍を問わず、学校の中だけでなく、家庭や近所、そして海外までという考え方が素晴らしい!(みいのさん)

私はお片付けが大好きだけど、お料理は苦手(家には調理器具が土鍋しかありません)。そんなときは家族や友達が美味しいものを作ってくれたり一緒にお店に食べに行ったりする。

私の苦手が、もしかしたら誰かの「役に立てた」と思うきっかけになるかもしれない、と思えば、わるいことばかりじゃないのかも。

最後の見開きのページ、気付かないところで繋がって環が出来てるんだなぁとじーんとしました。(kayogonさん)

すきなこと にがてなこと エピソード詳細

みんなとちがうからこそできることがある『まめまめくん』

みんなのコメント

まめまめくんがハスの葉っぱに寝転んで夜空を見上げ「宇宙はどれぐらい大きいのだろう?」と考えている場面が印象的でした。宇宙から見たら、まめまめくんも他の人もみんな一緒でみんな同じって思います。(みいのさん)

すこし難しいかな?と思いつつ3歳の息子に読み聞かせしてみました。大きすぎる虫や小さすぎるベットにワクワクしている様子で、何度か繰り返して読んでみてます。

虫がいるとその目線に合わせてしゃがみこむようになったのは、この本がキッカケのような気がします。(朝枝ナオさん)

まめまめくん エピソード詳細

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