子どもの頃、はじめて「かげ」を発見した時のこと憶えていますか。
部屋に差し込む太陽の光をうけて机や本棚から斜めに伸びる影、外で歩いている猫やずらりと立ち並ぶ街路樹の影、そびえたつ建物やぽっかりと空に浮かぶ雲にだって影があるし、一緒に遊んでいる友だちにも自分にも影があって、自分が動くと影も大きくなったり小さくなったりして太陽がある限りどこまでもついてくる。
それをはじめて発見した時の驚きと感動といったら!
ぼくと仲良しのバウちゃん。
お片づけでお母さんに叱られたぼくは、罰として今日のおやつのプリンがおあずけに。
しぶしぶお片づけをしながら、バウちゃんに八つ当たりしていたぼくでしたが、そのうち部屋で影遊びを始めるのです。そして、モノにはいろいろな影があることをバウちゃんに教えます。
二人は、早速外にでてたくさんの影を発見していくのですが・・・。
ご自身の子どもの頃の体験談から、数多くの愉快な絵本を手がけている武田美穂さんのコマ割り絵本。
小さな影、大きな影、いろんな影が登場します。武田さんがおそらく一番描きたかったと思われる雲の影。そのゆっくりと移動する巨大な雲と地上におちる影の迫力はコマ割りならではの臨場感!!子どもの視点で描かれたその影は圧巻です。絵本を読んだあとはきっといろいろな影遊びをしてみたくなりますよ。
忙しい毎日を忘れて家族と語らいながらのんびり雲の影を眺める、そんな時間を過ごしたくなります。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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