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リスやクマなどの動物たちの楽しいおたよりに案内されながら、繊細に描かれた実物大のきいちごの図鑑を楽しめます。おまけに、ジャムやゼリーなどの作り方も分かります。
「きいちご」、「動物、虫」、それに「お手紙」・・・娘が大好きなものが全部詰まった、とっても素敵な絵本です。
様々な種類の木苺の正確な描写に加え、動物たちのお手紙のかわいらしいこと! 図鑑だけでは味わえない楽しさにあふれています。
1匹1匹の表情も本当に愛くるしくて、それぞれの動物の名前や手紙の内容から、「この子はどんな性格なんだろう? どんなものが好きなのかなぁ?」と、想像しながら、自然と楽しい気持ちになってきます。
すぐ次のページに、お手紙をもらった相手からのお返事が来ているものもあれば、ずっと後にお返事があるものもあり、娘は、「あっ、やぎのめえこさんへお返事だ!」、「うしのねむこさんからだよ!」と、何度も確かめるようにページをめくり、手紙のやりとりを楽しんでいました。
そして、なんといっても1番の楽しみは、きいちごそのもの! 似ているようでも、色や形、大きさが微妙に違っていたり、名前もおもしろいものがいっぱい。「かじいちご」や「こじきいちご」なんて、すごくユニークな名前がついているものもあります。
ページごとに、お手紙を読み終えるとすぐ、巻末の表を開いて、花が咲く時期と実がなる時期、生えている場所を調べては、「えっ、道端にもあるんだって!」と、大喜びしたり、「実が生るのは、8月、9月だから、これももう終わっちゃってるね。」と、がっかりしたり・・・。でも、11月、12月に実が生る「ふゆいちご」という種類を見つけて、「わーい! 早速探しに行こう!」と、顔を輝かせていました。
すぐそばの公園や野山でも、気軽にきいちご摘みができる自然豊かな環境の中で生まれ育った娘は、幼少の頃の楽しい思い出も、きいちごと結びついているものがたくさんあります。
よく摘んだのは、この絵本に出てくる「エバーグリーン・ブラックベリー」でしょうか。本当に絵の通り、鋭く太い棘がいっぱいで、奥のほうの実を採るには、厚いジーンズを履いて、靴底で枝を踏みつけながら、顔や腕に当たらないように、慎重に、慎重に採らなければなりません。子どもたちは、手前の低い枝のベリーを、1粒ずつ摘んでは、その場で口に放り込み、手も口の周りも真っ赤にしながら、採れたての甘酸っぱさを味わっていました。
残りは、家に帰ってから、絵本の最終ページのように、煮詰めてジャムにしたり、パイにしてオーブンで焼いたりして、何日も楽しみました。
また、新しい土地でも、新たな思い出が増えるように、この絵本をもって、きいちご摘みに出かけたいな、と思います。 (ガーリャさん 40代・ママ 女の子6歳)
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