
ダンゴウオというお魚を知ってますか? とても小さくてコロコロとした可愛らしいお魚。 泳ぐのが苦手でおなかの吸盤で岩などにくっついて海の中で暮しています。
そんな小さな小さなダンゴウオを発見したのは、 岩手県宮古湾の海の底。 震災直後に魚の姿が消えた海の中で、必死にしがみついていた一匹の小さな魚。 三年半かけて、水中写真家・鍵井靖章さんが撮り続けた海の底で生きる生き物達の姿。 人間が使っていた生活用品が海底にあふれ、それでもそれをのみこむかのように 生長し、生命をつなぐためにたくましく生きる魚達の姿に心打たれます。 いつまでも美しい海に、たくさんの命が生まれるように 大人達にも子ども達にも伝えたいメッセージがたくさんつまっています。
(富田直美 絵本ナビ編集部)

震災直後の海には生き物がなにもいなかった。海底には人々の生活品が沈み、そして、奇跡のダンゴウオに出合った…! それから4年近く、撮り続けた宮古の海の底は、生き物と人工物とのふしぎな世界が現れていた。

東日本大震災の津波で、多くのものが沈んだ海には、その残骸と戻ってきた魚が棲息していました。
その共存に不思議な気がしました。
こうして海は再生していくのでしょうか。
名前も知らない魚たちの逞しさを感じつつ、大災害の爪痕が記憶として刻まれました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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