「ある時間を貯蓄銀行に5年間預け入れさえすれば、同額の利子を付けて2倍にする」・・・エンデは、作中に灰色の銀行外交員を描きました。これは「時は金なり」を思い切り皮肉っています。お金を持てば幸せか?時間を持てば悠々自適か?夢があれば貧乏を厭わないか?命を金で買う世の中は正しいか?等々とね。
何が正しくて、何が間違いか、世の中の矛盾という矛盾を、「モモ」の周囲の人間の口から次々につむぎださせるこの物語は、もはや小説を通り越え、鏡に映った鏡の世界=超リアルな虚無の現実だと思えてならないのです。
めでたしめでたしではない「モモ」。今起きても不思議ではない話。気付くことが大切なんだと、今頃気付いた私です。感謝