
表紙で、自分の背よりも大きなティースプーンを持って、こちらをじっと見つめる少女。 それがカーニャ。マッチ箱くらいの大きさの小さな女の子です。 カーニャはマッチ箱の中で寝てみたいな、と思います。 そんな思いつきから心ときめく素敵な冒険物語が始まります。
マッチを放り出し、ふわふわのまくらを見つけ、見張り番を連れてきて。 全部自分で整えるとマッチ箱の中でカーニャはすやすや眠りにつきます。 その間に帰ってきたのはうさぎさん。どうやらここはうさぎさんの部屋?…考える間もなく、 マッチ箱に描かれていた小鳥とともに、マッチ箱とカーニャはふわりと外へ飛び立ちます。 そこにはもうちょっと広い世界が広がっていて、植物や川、そして電車も走っています! 更にぼうしの切符をかぶって電車に乗ったカーニャがトンネルの中で見たものは、たくさんの星!!
次々と展開していく場面、それぞれに登場するのは可愛くて、ちょっと懐かしくて、キラキラしたものばかり。まるで宝箱を次々に開けていくような感覚です。展望台でカーニャと一緒にうっとりと幸せな気持ちになっていると、そこにあらわれたのは女の子。(どうやら普通の大きさのようです)そしてその子は言うのです。 「そろそろ もどりましょう」 え、ここはどこなんでしょう?カーニャはどこから来たの? 最後に向かって、まだまだ驚きの展開は続きますよ。 そして、読み終えると更にこの絵本が愛おしくなってしまうのです。お楽しみに…。
夢があって、趣のある美しさを放つ、北見葉胡さんの世界。 じっくり味わってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

「マッチ箱の中でねてみたいな」 そんな思いつきからはじまった、 ちいさなカーニャの心ときめく冒険物語。
女の子が大好きな可愛い小物が いっぱいに散りばめられた、 宝石箱のような絵本です。

可愛い女の子らしい表紙と本のタイトルに惹かれて、試し読みで読ませていただきました。
マッチ箱くらいの女の子のおはなしです。マッチ箱で寝たくてマッチを出してみたり、部屋の中でちょっとした冒険をしています。
こんな風に、本の世界のものが動き出したりするという空想を、
子供のころに誰でも考えることがあったのではないでしょうか。
お母さんには見えないけれど、秘密でおもちゃが動き出すなんて
考えただけで、子供は楽しいと思います。
大人になるにつれて忘れていた気持ちを思い出させてくれるような、
ファンタジーでした。
絵も可愛い感じで、女の子の心をくすぐります。 (きゃべつさん 40代・ママ 男の子11歳、男の子8歳)
|