
電話も車もめずらしく、消防車を馬が引いていた1916年、街の人たちはみな、お巡りさんも泥棒もお猿さんも帽子をかぶっていた。著者スタイグの少年時代の記憶が、ニューヨークの下町のなつかしいの風景を描きます。

「ピッツァぼうや」や「ロバのシルベスターとまほうのこいし」などを書いたスタイグ。
彼の作品には「子供からはそんな見方があったんだ」といつもドキッとさせられたり、
ハッと気づかされたりします。
2003年に亡くなった彼の遺作がこの作品だそうです。
「1916年、ぼくは8歳だった。」彼が子供のころを回想した作品で、
アメリカの古きよき時代が描かれています。
彼自身がこどもの頃感じたいろいろな気持ちを持ち続けていたからこそ、
子供が共感するような目線での作品を創りだせたのでしょう。
子供の頃は絵描きか船乗りになりたかったスタイグ。
最終ページは写真とともに
「絵描きにはなれて、船乗りにはとうとうなれなかった」
と記されています。
ちょっぴりホロリとさせられました。
彼の作品が大好きな息子もだまって興味深そうに聞いていました。 (ポポロさん 30代・ママ 男の子7歳)
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