森でふりだした雪に、おおはしゃぎの、くまくんたち。
「つもったら、ゆきがっせんしようねえ」ととびはねるりすちゃん。
「そりあそびもできるよね」ときつねくん。
くまくんもきつねくんも、うさぎちゃんも、そりをもってるんですって。
みんな雪がつもるのが楽しみでしかたありません。
でも、りすちゃんはなんだか急にしょんぼりしちゃったみたい……。
りすちゃん、どうしたのかな?
じつはりすちゃんは、自分のそりを持っていなくてしょんぼりしていたのです。
一方、くまくんも、自分の古ぼけた木のそりがはずかしくなり、しょんぼり。
でもりすちゃんに「はちみついろのすてきなそり」と言われて、おじいちゃん手作りの古いそりが素敵なものに思えてきます。
一度は「ゆきなんか、もうふらないで!」と思ったくまくんですが、また待ち遠しくなります。
りすちゃんに「ぼくのそりにのって!」と言ったくまくん。りすちゃんも嬉しそう。
そして……しんしんと何日も雪がふりつもり、雪がやんだあと。
あかるい青空の下、みんながあつまってきました。
「それーっ!」
「きゃーっ!」
「ひゃっほー!」
丘の上から一気にすべりおりてくるみんなの顔は晴れ晴れとしています。
おおらかな線で描かれた風景。気持ちよさそうなくまくんたちの姿。
互いのそりに乗って楽しく遊ぶ様子がすがすがしく、思わず顔がほころびます。
お友達同士の心の揺れとやさしさが描かれた、冬にぴったりの絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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