ロングセラー「999ひきのきょうだい」シリーズ第5弾。
前作『999ひきのきょうだいのおとうと』から5年ぶり、待望の作品です。
さて今回は、心地いい夏の夜の、川辺が舞台のようです。
いったい何が起こるのでしょうか……?
仲良しの999ひきのかえるの兄弟たちがかくれんぼをしています。
弟たちが隠れ、いちばん大きいおにいちゃんがオニ。
おにいちゃんは次々弟たちを見つけますが、いっぴきだけ見つけられません。
心配になって探しまわったところ、弟は、草の中でお昼寝中!
「よかったー。まいごじゃ なかったんだね」と胸をなでおろします。
日が暮れて、夜空には星がたくさん出てきます。
「あの おおきな ほしが おにいちゃんだね」「こっちの ちいさいほしが おとうとだね」と仲良く話しあっていると、小さな星が、すーっと流れて落ちていき……。
「たいへんだ! まいごになっちゃうぞ」
おにいちゃんを先頭に、星を探しに999ひきはぴょんぴょんぴょん……。
さて、落っこちた星は見つかるかな?
いつものように、頼りになるけどちょっぴり弟たちに心配されるおにいちゃんと、兄思いの弟たち。
ユーモラスな展開の中に、兄弟のいっしょうけんめいさや、互いを思いあう優しさが描かれます。
おなじみの長〜いヘビももちろん登場。
そして最後は、夏らしいすてきな「ほしのおとうと」が登場!
大人も子どももうっとりと見とれてしまいそう。
かえるの模様のどこかに、木村研さんのK、村上康成さんのYのイニシャルが隠れているのも毎度のちょっとしたお楽しみです。
どのページにあるか探してみてくださいね。
それにしても、毎回期待を裏切らない「999ひきのきょうだい」シリーズ。
しんとしたあたたかい読後感を味わうと、もう一度、全作品を読み直したくなっちゃうのです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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