
ぼくとくろは、いつも一緒。遊ぶときも、寝るときも。自転車に乗って、少し離れた草原まで行くこともある。でも今日は、くろが急に走りだした。いつもの大きな木をこえて、線路をこえて、道路もこえて。
「わん わん わん」 「まって、まって」
それでも、くろは走りつづける。どこまでいくの? もう帰ろうよ。しばらくすると、あおいにおいがしてきて……。
いつもの道をはずれて、くろが連れていってくれたのは、思わぬ場所。少しこわい思いもしたけれど。母ちゃんにもちょこっと怒られたけど。それはとっても素敵なところ。
少し遠くへ。少年と犬の日常の世界が広がった日のできごとを、躍動感あふれる力強い線と美しい色彩で生き生きと描きだしたこの絵本。繰り広げられるのは、目の前を勢いよく過ぎていく電車や、激しい風にうなる木々、嬉しくてはしゃいだ時間や、まっくろやみを駆け抜けた瞬間など、感情と景色が一体となった印象的な場面の数々。そして、すべてを優しく包み込む母親の体温。
ぼくにとっても、くろにとっても、きっと忘れられない一日になったのでしょうね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

ぼくとくろは、いつもいっしょ。ねるときも、あそぶときも。自転車にのって、少しはなれたところにも行く。 あるとき急に、くろが走りだした。線路をこえて、道路をこえて、畑をこえて…… どこに行くの? すこしとおくへ、少年と犬の世界がひろがった日のできごとを、優しいまなざしで描く美しい絵本。

きくちちきさんの絵としり、読んでみました。くろを追いかけて、タイトルどおり、少しとおくへいってしまうぼく。その心情のうつりかわりが、躍動感のある絵で手にとるように伝わってきました。子どものころを思い出し、こういう気持ちわかるなあ、と。読後はあたたかい気持ちになる素敵な絵本でした。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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