もしもウマだったら、一日中走りまわっちゃうし、行きたいところに行くし、妹を背中に乗せてあげたいな。水泳大会では、きっとひっぱりだこ!
どろんこの中を転げまわっても、おふろになんか入らないし、洋服だって着ない。……パレードの時以外はね。
ああ、大好きなウマになれたら、いいのにな。
純粋な子どもの夢を、画面いっぱいダイナミックに描ききったこの絵本。自由に走りまわったり、家の中で好きに過ごしたりするウマの姿の迫力といったら! 幸せそうな表情といったら! 体の動き一つ一つから喜びが伝わってきます。
けれど、丁寧に描かれた背景の絵や、主人公の気持ちのこもった言葉一つ一つをかみしめているうちに、この子がウマに憧れる気持ちの理由を知り、ハッと胸を突かれます。プールサイドに置かれた車椅子。いつもは泳いでいる子を応援するばかりなのです。
自由でいたいこと。それだけでなく、妹をもっと喜ばせたいし、おにいちゃんをもっと驚かせたい。開放的な外の景色にくらべ、細やかに描かれる家の中の様子や、さまざまな絵やポスターが飾られた部屋のすみずみ。じっくり見れば見るほど、彼女を取り巻くたくさんの物語が浮かびあがってくるようです。
作者は、 コールデコット賞を二度受賞しているオーストラリア生まれの画家ソフィー・ブラッコール。その絵は一度見たら忘れらないほど美しく繊細で印象的。中でもこの作品からは、特別な思いが伝わってきます。
絵本をとじた後、もう一度考えてみて。もしもあなたがウマだったら……って!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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もしもウマだったら、一日中走りまわりたいな。妹を背中に乗せてあげたいな。水泳大会では、きっと大活躍! どろんこの中を転げまわっても、おふろになんか入らないし、服だって着ない……大好きなウマになったら、こんなことがやりたい、という子どもの夢を、ダイナミックに描く絵本です。画面いっぱいに飛びまわるウマの姿は迫力満点。幸せそうな表情ですが、プールサイドにおかれた車椅子を見ると、この子がウマに憧れる気持ちにハッと胸を突かれます。すぐれた絵本にあたえられるコールデコット賞を二度受賞しているソフィー・ブラッコールの、力のこもった作品。家の中の細かい描写も秀逸で、ページをめくるたびに発見があります。
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