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自らも重度の障害をもつ吉村敬子さんの力をかりて、田島征彦さんが描く戦争絵本。戦争と障害の問題を強く訴えかける。 《ストーリー》もも子は、まるで見わけがつかないふたごにとまどいながらも、ふたりのことが気になってしかたがなかった。ある日、小学校入学を心待ちしていたもも子のもとに〈修学猶予〉の通知がきた。すっかり気落ちしたもも子をなぐさめようと、ふたごはあることを思いつく。障害をもちながらも明るく生きようとするもも子に、いつしかふたごは心ひかれるようになっていった。 その年の夏、夜中に空襲警報が鳴りひびいた。もえさかるほのおの中、歩けないもも子は…。

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戦争は人の心を変えてしまうのでしょうか。
やさしかったおじいちゃんが、自分の息子に「立派に死んでこい」というのです。
たべものをめぐって人が鬼になるのです。
それはすべて戦争のせいなのでしょう。
でもこの絵本は、それだけではなく障がい者のお話でもありました。
脳性マヒという障がいを持って生まれたもも子は、教育の対象外とされ、差別化された存在だったのです。
車椅子ではなく、乳母車に乗せられたもも子に当時の実情を感じました。
著者の吉村敬子さんが、あの「わたしいややねん」の吉村さんだとわかった時、複雑でまとまりのない絵本の中のもも子の姿がとても大きく思えてきました。
大阪の街で、みんな死んでいきます。
「ななしのごんべさん」と名づけられた人形が、世の中の混乱の中で、阿修羅のようにも感じられました。
戦争の悲惨さを感じるとともに、その時代にいた障がい者がどのように生きてきたのか、改めて見直すきっかけになるような絵本です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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