戦争の記憶を掘り起こしていたら、満州育ちの多くの引き揚げ子女が、戦後日本の中で活躍されていることを知りました。
あまんきみこさんもその一人です。
この作品は、そんなあまんさんの実体験としての思い出なのでしょう。
大連での暮らしと戦争の混乱の中で、こけしのハッコちゃんは、いつも共にいて、命を守ってくれたお守りのような存在だったのでしょう。
終戦から引き揚げまでの期間も共に暮らしたハッコちゃんでしたが、一緒に帰ることはできませんでした。
引き揚げの前日、ハッコちゃんは何度も撫でられてから、ストーブの火に焚べられました。
痛恨の想いを残したまま、戦後を生きてきたお母さんにとって、こけしは特別のものなのです。
そのお母さんが、いくつものこけしと寝てしまった近所の女の子に、戦争を思い出します。
女の子自体がこけしに見えてきます。
戦争を思い出しながら、平和のありがたさと、反戦への思いを膨らませていきます。