読み終わった感想は「メッセージ性の強い作品だな」。さすがに2010年の課題図書に
なったのが分かるような気がします。これまた息子が先生のお奨めと言って図書室から
借りてきました。
読み始めると、最初に、「ん?『はだかの王様』みたいな話だな」と感じましたが、
最後には、ここまで想像力があふれているミリーってすごいなぁと思いました。
この話でハイセンスだなと思うところは、ミリーが買おうとした羽のついた帽子の値段が
99999円というその滑稽な数字の羅列や、ミリーがお金が全く入っていない財布を見せて、
「このくらいしかないんですが」と言ってしまうところ、そしてその後の店員さんの対応が
実にいいと思いました。そして、何よりもクジャクの帽子のページが圧巻でした。
その場に一緒にいた友人が「この絵本の絵のタッチは外国人が描いたみたいだね」と
言って、確かにと思い、思わず作者:きたむらさとしさんのことを調べてしまいました。
イギリスを拠点にしているんですね。絵にしろ、本に託しているメッセージにしろ、
思わず納得してしまいました。
読み終わった感想を息子に聞くと
「色々な帽子に変わっていくところが面白い。ぼくは電車かポケモンの帽子が欲しい」
だなんて言うものだから、この帽子が実は想像の産物でミリーも他の人も本当は帽子を
かぶっていないことを理解しているんだかどうだか、いまいち分らず、そして、何よりも
私自身が、ミリーが公園で出会った人々の色々の帽子が、それぞれの人が想像した帽子
なのか、それともミリーがその人達にそれぞれ勝手に想像した帽子なのかが判断がつか
ず、最後のメッセージをどう捉えていいのかちょっとモヤモヤとしています。
でも、とても可愛い絵で素敵な話だと思います。是非、読んでみて下さい。