「けんかしている子がいるよ。」
「泣いている子もいる。」
「なにがあったの?」
見開きいっぱいに外で遊ぶ子どもたちの様子が描かれています。
折り紙で遊んでいる子、ブランコに乗っている子、動物を観察している子。
笑っている子、夢中になっている子、中には怒ったり、泣いている子もいます。
その絵を見ながら上の質問を問いかけます。
子どもたちは更に絵をしっかり見ながら考え始めるでしょう。
「なかよくするには どうしたらいい?」
毎日生活している中で、子どもたちは新しい発見をしたり、疑問に思ったり。
はじめから何もかもわかっている子なんていないですものね。
そうやって脳をしっかり使うことが成長を促し、感受性を豊かにしていくのでしょう。
今度は、クリスマスパーティーが行われている部屋の場面です。
「いっしょにパーティーをたのしもう。」
「ひとりでいる子、何をしているんだろう?」
みんなで一緒におしゃべりして楽しそうな子がいる中で、ひとりで窓を眺めている子がいます。
あの子は何をしているのかな?楽しんでいるのかな?
「たのしいって、なんだろう?」
更に自分とは違う心のことを想像します。そして、考えます。
「たのしい」について考える。これは興味深いテーマですよね。
どんな答えを導き出してくるのでしょう。
5歳の兄と3歳の妹がネコのいまじんと一緒に、「春」「夏」「秋」「冬」それぞれの出来事を見たり体験していく様子を通して、探して、考えて、成長する。そうすることで色々な視点から物事を捉えられるようになり、『批判的思考力』と『創造的思考力』が活性化しやすくなるという、脳科学の知見をもとに組み立てられた絵本なのだそう。
「この子はどうすると思う?」「どんな気持ちだと思う?」「どうすれば解決できるだろう」
そんな風に会話しながら考えることこそが、「生きる力」につながる大切な時間なのかもしれません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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