今日からモプーは一年生。楽しみにしていた学校に初めて行く日です。モプーの肌はモプーが好きなチョコレート色。ひつじのようにモコモコしている髪の毛もお気に入り。
「いってきます!」
ピカピカのランドセルをしょって元気に家を出たモプー。教室では、みんなの自己紹介が始まります。モプーも、自分が好きな食べ物の話をします。ところが、みんながクスクス笑います。ぼくがおすしを好きだと「ヘン」なのかな……?
元気なモプーはすっかりクラスの人気者。でも、みんながむじゃきに笑ったり、「ヘンだ」と言うたびに、小さくてトゲトゲした謎の生物「ヘンダ」が出てきて、モプーのモコモコの頭の中に入ってくるのです。そして、ある朝とうとう……。
普通にしているつもりでも、まわりの子と少し違うだけで目立ってしまう男の子モプーを描いたこのお話。いじめられているわけでも、嫌われているわけでもなく、学校へ行くのは楽しけれど、いつのまにかモプーの頭の中には「ヘンダ」がたくさん! 身動きが取れなくなってしまいます。
作者は「第19回わたくし、つまりNobody賞」受賞の大注目作家・伊藤亜和さん。ご自身やご家族の経験の中から生まれたという絵本の中には「ヘン」という言葉が何度も登場します。「ヘン」の中には、「普通とちがう」「おかしい」という意味もあれば、「おもしろい」「好き」という感情もあるでしょう。それでも受け取る側の日常には大きく影響を与えていきます。
絵本の中には決して正解があるわけではありません。それでも、子どもたちの間で考えたり、話しあったり、解決策を見つけていく過程には、大きな意味がありそうです。出口かずみさんが描く不思議な生物「ヘンダ」の軽やかな存在や、モプーの愛らしさ、子どもたちの無邪気な表情が、大人をも明るく力づけてくれるようです。
言葉にできない「もやもや」を、絵本の中で見つけることができたなら。多くの子どもたちに出会ってもらいたい一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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第19回わたくし、つまりNobody賞 受賞の大注目作家・伊藤亜和さん初の絵本
チョコレート色の肌と、ひつじのようなモコモコの髪をもつ小さな男の子、モプー。
今日からピカピカの一年生。期待に胸をふくらませて、学校へ向かいます。
ところが、教室のみんなは、モプーの「ちがい」に大注目。
みんなにかこまれて、モプーはすっかり人気者。
うれしいけれど、
ぼくが おすしをすきなのは ヘンなの?
ぼくが えいごをはなせないのは ヘンなの?
みんながむじゃきに「へんだ」というたび、
モプーのあたまに なぞのせいぶつ「ヘンダ」がからみついてふくらんでいき……!?
伊藤亜和と人気絵本作家・出口かずみが贈る、やさしさと思いやりの物語。
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