あげる
- 作・絵:
- はらぺこめがね
- 出版社:
- 佼成出版社
絵本紹介
2022.04.21
3・4・5歳向け絵本Aでは、お腹がグーっと鳴る、美味しい絵本の名手はらぺこめがねさんの新刊から、「こんなコンビニ行ってみたい!」と思うネコのコンビニの絵本、さらにおばけのお花見?!まで、バリエーションに富んだ作品をご紹介します。
お子さんは食べ物絵本派? かわいい絵本好き? はたまたおばけ絵本にハマる?
今まで手に取ってこなかった作品にも、この機会にチャレンジてしてみるのもおすすめです。
みどころ
お腹がぐうっと鳴りそうな、はらぺこめがねさんの絵本です。
シリーズ前作『かける』(佼成出版社)もシズル感たっぷりで「そう来たか!」と思いましたが、こちらの絵本もたまらない。何がたまらないって、サクッ、カラッ、ジュワー……。そう、「あげる」音が聞こえてきそうな“揚げ物”絵本です!!
「ときめく とりにく」から唐揚げ。サクッとかじりつきたいコロッケやカツ。野菜たっぷりのかきあげもありますよ。生の素材から、「あげる」ことで最高に美味しそうな料理に変身! ページをめくったときの絵の展開も楽しい。
最後の“たねあかし”中身はなあに? 1つへんてこな物が混じっていますから見つけてくださいね。
はらぺこめがねは、「食べ物と人」をテーマに幅広く活動する、原田しんやさん、関かおりさんによるイラストユニット。おふたりはご夫婦で、2011年にユニット結成以来、一緒に絵本制作をされてきました。「美味しい食べ物を描きたい」という思いから絵本作りをスタートしたというおふたり。実は『かける』『あげる』にもう1冊加わって、全部で3部作になる予定だとか……。
くいしんぼうなら、きっと何度眺めても飽きません。3冊全部揃えたくなっちゃいますね。
この書籍を作った人
2005年京都精華大学デザイン学科卒業後、グラフィックデザイナーを経て2008年にイラストレーターとして独立。2011年はらぺこめがねを結成。絵本に『フルーツポンチ』(ニジノ絵本屋)、『やきそばばんばん』(あかね書房)、『くだものさがしもの』(PHP研究所)、『かんぱい よっぱらい』(岩崎書店)、『みんなのおすし』(ポプラ社)、『にくのくに』(教育画劇)などがある。また、「ごちそんぐDJの音楽」(DJみそしるとMCごはん)のジャケットアートを担当するなど「食べ物と人」をテーマに幅広く活動している。
出版社からの内容紹介
どうぶつさんがくらしているところにもコンビニがあります。お店のなまえはニャニャマート。てんちょうはネコイチさん。どうぶつさんのほしいものがなんでもあるのがじまんです。
朝、急いでやってきたのはパンダさんの親子です。パンダさんの子どもは、「サササンド」を見つけて大喜び。ネコイチさんは、「サクサクしたササとマヨネーズのくみあわせがたまらニャイですよ。ササの葉がこまかいので歯にはさまらないようご注意ください」と、伝えました。
次にやってきたクマさんは、「ハチミツとイクラのパフェ」を注文しました。ネコイチてんちょうは、パフェができるとクマさんのところへ持っていきました。「ハチミツとイクラのパフェです。あまくてしょっぱくてとろーりプチプチ。どうぞごゆっくり」
それからも、カブトムシさんやヤギさん、キリンさんがお店でお買い物をしていきます。そして最後にこいぬくんがやってきて……?
みどころ
わたしの耳は、ときどき遠くへ旅をするんだよ。ほんとだよ。朝早くにベッドの中で耳をすませば、きこえる、きこえる。
とりの声や、やさしい風の音、明るくなる空の音に、配達の音。バスが走り出せば、ボートも動き出し、さかながピョンとはねて、ミツバチがとんで。それからそれから……わたしの目をひらかせてくれる。
「おはよう!春ですよ!」
夏がくれば、部屋の中に雲が入ってきて、そこかしこに夏のにおいをふりまくの。気がつけば、いつの間にかわたしはすっかり夏のこども。秋からは、招待状が届きますよ。嬉しくて嬉しくて。ポケットにいれて、出かけます。そして冬はとっても静か。ロウソクに火を灯すと……。
「わたし」のまわりのあちこちに隠れているのは、移り変わる季節の小さな「けはい」。それをたぐり寄せていくことが、こんなにも嬉しくて、こんなにも心を浮き立たせてくれるものだったなんて。この気持ち、なんだかずっと忘れていたみたい。
タイトルの「はっぴーなっつ」は、幸福の「ハッピー」と、作者の荒井良二さんが子どもの頃から愛読されていたスヌーピーの「ピーナッツ」とをかけ合わせた造語なのだそう。その表現も、コマ割りで細かくユーモラスに描かれる部分と、明るい色彩で画面いっぱいに描かれた幸福感あふれる絵が交互に現れ、オマージュと個性が融合した、とても新しい表現となっているのです。
晴れ渡った空のような背景の色。そこに立つ黄色いワンピースを着た女の子。一度でもこの絵本を体験すれば、表紙を見ているだけで、心があっという間にどこかへ飛んでいってしまいそうな気分にさせられます。そのくらい愛らしく、幸せな1冊です。今日とは違う明日がきて、去年とは違う春がくる。そんな希望がたくさんの子どもたちに届きますように。
この書籍を作った人
1956年山形県生まれ 日本大学芸術学部芸術学科卒業。 イラストレーションでは1986年玄光社主催の第4回チョイスに入選。1990年に処女作「MELODY」を発表し、絵本を作り始める。1991年に、世界的な絵本の新人賞である「キーツ賞」に『ユックリとジョジョニ』を日本代表として出展。1997年に『うそつきのつき』で第46回小学館児童出版文化賞を受賞、1999年に『なぞなぞのたび』でボローニャ国際児童図書展特別賞を受賞、『森の絵本』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。90年代を代表する絵本作家といわれる。そのほか 絵本の作品に『はじまりはじまり』(ブロンズ新社)『スースーとネルネル』(偕成社)『そのつもり』(講談社)『ルフランルフラン』(プチグラパブリッシング)などがある。2005年には、スウェーデンの児童少年文学賞である「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を、2006年に「スキマの国のポルタ」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞。
この書籍を作った人
1969年、秋田県生まれ。詩人。2004年『手をふる 手をふる』(あざみ書房)でデビュー。2014年、『どろぼうのどろぼん』(福音館書店)で長篇デビュー。同作で第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞受賞。主な作品に、『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』(音楽監修: 高野 文子/福音館書店)、『せなか町から、ずっと』(画:junaida /福音館書店)、『はるとあき』(うきまる共作、絵:吉田 尚令/小学館)、『とうだい』(絵:小池アミイゴ/福音館書店)、『まちがいまちに ようこそ』(うきまる共作、絵:及川 賢治/小峰書店)、『えのないえほん』(絵:植田 真/講談社)などがある。
この書籍を作った人
1941年福岡県大牟田市生まれ。個性的な文体で独自の世界を展開。『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん大賞、『うそつきのつき』(文渓堂)で小学館児童出版文化賞、『がたごと がたごと』(童心社)で日本絵本賞を受賞。絵本の他にも、読み物、詩集など作品多数。他の主な作品に「おれたち、ともだち!」シリーズ(偕成社)、『かあさんのこころ』(佼成出版社)、『とってもいいこと』(クレヨンハウス)、『ぽんぽん』(鈴木出版)などがある。
この書籍を作った人
1972年、愛媛県松山市に生まれる。大阪デザイナー専門学校編集デザインコース絵本科卒。「あとさき塾」「メリーゴーランド絵本塾」で絵本を学ぶ。作品に『アブナイかえりみち』『アブナイおふろやさん』『祗園精舎』(ほるぷ出版)『ちゃんがら町』『十二支のおはなし』『がっこういこうぜ!』『おばけのきもだめし』(岩崎書店)『雪窓』『本所ななふしぎ』『学校ななふしぎ』(偕成社)『むしプロ』 『カイジュウゴッコ』(教育画劇)『ぬ〜くぬく』(農文協)『にんじゃつばめ丸』(ブロンズ新社) 『えかきのチャーリーひみつのかべ』(イースト・プレス)『いっすんぼうし』(あかね書房)『はのはのはなし』(アリス館)などがある。
この書籍を作った人
翻訳家。主な訳書に「ムーミンのおはなしえほん」シリーズ、『かようびのよる』(以上、徳間書店)など。
出版社からの内容紹介
せかいのみんなはなにを食べているのかな?
えっ! こんなおいしそうなもの、わたしも食べてみたい!!
世界14か国の食べ物・料理や食卓の風景がたのしくわかる絵本!
日本の朝の食卓はみんなお出かけ前で忙しいけど、
一日元気で過ごすために「いただきます!」
では、世界の国々ではどんな食べ物や料理を食べているのでしょう?
国よって食べるものも違えば、食べ方もさまざま。
街角で気軽に小腹を満たす食べ物や、お正月にみんなで集まるときに欠かせない料理、
はたまた、気持ちよく過ごすための習慣として欠かせない時間……。
おいしいものを食べる時の笑顔は世界共通、この絵本には笑顔があふれています!
世界じゅうの「おいしい!」の元気な声が
聞こえてくる絵本です!
この書籍を作った人
1949年、群馬県前橋市に生まれる。1983年より木彫・木版画工房「でくのぼう」を主宰。『ばあちゃんのえんがわ』で第5回講談社絵本新人賞、『おじいちゃんのまち』(講談社)で第13回絵本にっぽん賞を受賞。ほか作品に、『ヒロシマのいのちの水』(指田和/文、文研出版)、『おばあちゃんのおせち』(佼成出版社)など。鬼をテーマにした版画や木彫り人形などを多く手がけ、どこか憎めない、愛嬌あふれる作品で人気を集める。
この書籍を作った人