
【連載】1月の注目の新刊&オススメ絵本紹介 〜心も体もポカポカあたたまる絵本〜

●冬はやっぱり雪の絵本!
●雪の冷たさ、あたたかさが、絵と言葉で迫ってくる。
歌人の東直子さんと、画家の木内達郎さんが日本の四季を、短い言葉と情景で印象的に描き出していく「きせつのおでかけえほん」シリーズ。『ゆき ふふふ』では、雪の降り積もった公園で遊ぶ子どもたちの情景が、静かに美しく描かれています。
読んでいくと、雪が肌に触れる感覚、風の冷たさ、ほてった頬のあたたかさなどをすぐそばに感じることでしょう。何気ない日常の中にたたずむ、かけがえのない季節の姿を再発見できる絵本です。
「ゆき ふふふ」
作:ひがし なおこ
絵:きうち たつろう
出版社:くもん出版
ふわふわ、ふふふ、しゅわん、じゅわじゅわ…。形を変えて、さまざまな表情をみせてくれる雪。
真っ白な美しい世界を体で感じ、おもいっきり雪あそびをしたくなる絵本です。
アメリカ・Society of Illustrators2009年書籍部門で銀賞を受賞した『あめ ぽぽぽ』、『ほわほわ さくら』に続く、
きせつのおでかけえほんシリーズ最新刊です。
●写真で感じる、雪の美しさ。
白くて、フワフワしていて冷たい雪。時には豪雪となり、私たちの生活を大きく脅かす存在でもあります。でも、ひとつひとつの雪を見てみると、とても個性的な形をしていて、全て形が異なるのだそうです。
「よみきかせ いきものしゃしんえほん」シリーズで多くの昆虫の写真を撮影してきた、小杉みのりさんの新境地。美しい雪の結晶を写真絵本で堪能しましょう。
「ゆきのけっしょう」
作:小杉 みのり
監修:武田康男
出版社:岩崎書店
ゆきのけっしょうのあかちゃんがうまれて、大きくなって、形をかえて、空からおちてくる。
ひとつとしておなじ形がない、ふしぎで、きれいなゆきのけっしょうの写真絵本。
●雪が降ると手に取りたくなる、不朽の名作。
雪が降ると思い出す、静かな微笑みをたたえるあの姿……そう、レイモンド・ブリッグズの名作『ゆきだるま』です。
文字のない、細かいコマ割りで描かれた絵は、小さいお子さんでも、ゆきだるまと男の子の出会いと交流、そして別れをしっかりと理解することでしょう。
寒い冬、雪が降る夜に読みたい絵本です。
●こちらの雪だるまはとってもにぎやか!
しっとりとした雪だるまも好きだけど、にぎやかで楽しい雪だるまの絵本も読みたい! そんなあなたにはこちらの一冊。昼間雪遊びする子どもたちのように、かけっこにスケートに雪合戦……と、はしゃぎまわる雪だるまたち。雪だるまがグッと身近に感じることでしょう。そして、この絵本ストーリーの面白さはもちろんのこと、絵の中に色々な動物が隠れているんです。よーく見ると、クリスマスに大活躍するあの人の姿も……?
ぜひ、探してみてくださいね。
●あったか〜い温泉にはいりた〜い。
あたたかくて、見も心もほぐされる温泉。それは人間だけでなく、意外なものも癒されているようです。絵本に登場する温泉をのぞいてみましょう。
●あたたか〜い……だけじゃない?!
温泉と言えば食べたくなるのが「おんせんたまご」。大人も子どもも大好きですよね。でも、この絵本に出てくる「おんせんたまご」は、食べるわけではありません。たまごがピキピキと割れて中から出てくるものは……?
ページをめくる度に子どもの歓声が飛び交う、楽しい絵本です。
「おんせんたまご」
文:中尾 昌稔
絵:河本徹朗
出版社:大日本図書
毎日、たくさんのたまごが温泉にやってきます。「ああ、きもちいい」「ふう、いいきぶん」と、のんびり温泉につかっていると、あれ!? たまごがピキピキわれてきて、中から出てきたのは、えーーっ! 親子で読めば、にっこり笑顔になれる絵本です。
●声に出して! はやくちことば!
「おでん」「おんせん」「はやくちことば」。一見つながりのなさそうな3つを、見事にひとつの絵本にまとめ上げたのは、絵本作家の川北亮司さんと飯野和好さん。おでんたちが浸かる温泉は、お出汁がしっかり効いていそう。そこに添えられる言葉たちは、軽快でユーモア満点。さあ、寒さに動きの鈍くなった口角をしっかりマッサージして、声に出して読んでみましょう。
「はやくちことばで おでんもおんせん」
文:川北 亮司
絵:飯野 和好
出版社:くもん出版
ここは 湯の国 おでんも おんせん!?
おでんたちのやってくる、ひなびた温泉場で、つぎつぎくり出される「おでん早口ことば」たち。
「なまたこ なまあげ なまがんも ゆでだこ ゆであげ ゆでがんも」
「おやこんぶ ここんぶ まごこんぶ ひまごこんぶ」
「かたたたききに きたたまご」「このくしは ひきぬきにくいくしだ」…
飯野和好の描く、ユーモラスなおでんキャラクターたちが、露天風呂、洗い場、マッサージ室、卓球場・・・とめぐっていく様子を、川北亮司のヘンテコなことばに乗せて楽しめば、子どもも大人も思わず笑ってしまうはず。
みんなで声に出して楽しめる、とびきり愉快な早口ことばえほんです!
●1年のはじまりを感じる絵本。
●大人気! どんぐりたちの紡ぐ1年間。
帽子屋さんに、パン屋さん。本屋さんに、保育園の先生……。子どもたちに人気のお仕事を通して、個性豊かなどんぐりたちが活躍する絵本「どんぐりむら」シリーズ。どんぐりたちの1年間を12の月の行事と共に巡ることができるのがこの『どんぐりむらのいちねんかん』です。
ページをめくる度にどんぐりたちの楽しそうな姿、にぎやかな様子が飛び込んできてワクワク。さらに四季や行事を知ることができてワクワクの一冊です。
「どんぐりむらのいちねんかん」
作・絵:なかや みわ
出版社:Gakken
どんぐりむらの1月から12月まで、人気キャラ総出演で四季折々のどんぐりたちの暮らしや行事を描く、どんぐりむら歳時記。4月のお花見、7月のプールなど普段は見られない季節のイラストは必見! カメラマンが撮った写真で一年を振り返るクイズつき。
発売を記念してなかやみわさんにインタビューを行いました。(記事は2018年公開です)
●絵本の中で新年会に参加しよう。
今年の年始、大勢で集まることができなかった皆さんも、絵本の中なら何人でもいつでもOK。しかも新年会を開くのは十二支の動物たち。一体、どんな新年会なのか、とても気になりますね。
文章を担当したみきつきみさんは、柳原良平さんと『
あのほしなんのほし』や『
どんぶらどんぶら七福神』(共にこぐま社)など、言葉のリズムの楽しい絵本を生み出しています。
柳原さんの切り絵も堪能できる3冊合わせてオススメです。
「十二支のしんねんかい」
文:みき つきみ
画:柳原 良平
出版社:こぐま社
元日に、十二支の動物たちが新年会へ。おせちでお祝いの前に、まずは語呂のよい言葉にのせてそれぞれをご紹介します。最後はそろって金屏風の前でごあいさつ。伝統的な動物たちのイメージを楽しい切り絵で届けます。
●おみくじの中でこんなことが起っていたとは……!
神社にお参りに行くと、思わず手が伸びる「おみくじ」。大吉が出るか、吉が出るか、はたまた凶が出てしまうのか……。おみくじを引く瞬間のドキドキは誰もが体験したことがあると思います。実はあのおみくじの中で、こんなことが起っていたんです。
「おみくじ」
作:きた あいり
出版社:BL出版
大人も子どもも、おみくじが大好き。
いいことがありますようにと願いをこめて、おみくじをひきます、でも実は、箱の中ではおみくじたちが順番をてきとうに決めていて……。
人間たちの真剣な思いを知ったおみくじたちは、どうするでしょうか。
ユーモラスで奇想天外なお話に、大笑い!
コミカルで親しみやすい絵も楽しく、おはなし会にもおすすめです。
●ユーモアあふれる節分絵本。
絵詞作家・内田麟太郎さんと、男子が喜ぶやんちゃな絵本を得意とする山本孝さん。お二人がタッグを組んだ「えほんのマーチ・行事絵本」シリーズは、「十二支」や「七五三」、「七夕」などの日本古来の行事を、味わいあるストーリーと濃厚なタッチで描く人気作。
特に節分を取り上げた『ふくはうちおにもうち』は、寒い時期にピッタリの心が温かくなるユーモア絵本です。節分の時期に家族で楽しんでください。
2016年に山本孝さんにインタビューを行いました。
●1月の新刊&オススメ動画公開中。