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悪魔に楽器をとられた人びとは、子どもに教えられ声をそろえて歌いだす??1850もの人や動物や道具にのせて語る比喩に富むお話。
とても幸せで、とても音楽が大好きなおくにがありました。ところが、みんなが楽しく踊ったりするのがうらやましくて仕方がないアクマがいました。ある晩、欲張りアクマは国中の楽器を盗んでしまいますが、楽器を使えませんでした。そこで盗んだものをくもの巣にぽいぽい引っ掛けてしまいました。盗まれて困ったおくにの人々は、みんなで考え工夫して、その辺の物で楽器を作り、また楽しく音楽を始めました。しかしまたアクマに盗られ、今度は虫や動物を沢山集め、その鳴き声を楽しみました。しかしまたまたアクマに盗まれ、さすがに人々はがっかりし元気がなくなってしまいました。その時、ちっちゃな子供が「歌を歌えばいいじゃないか!」と言って、人々は大きな声で歌い始めました。お日様もグルグル回りだし、欲張りアクマは目を回し、くもの巣もぷつーんと切れて、引っ掛けられていた楽器や生き物たちがみんなのところに帰ってきました。前よりももっともっと楽しく暮らしたそうです。
とてもにぎやかで楽しいお話です。人々が一致団結して前向きに楽しく暮らしているのがとてもいいです。
あとがきにありますが、この作品の中には、人物が1094人、動物が465匹、物や道具が294個も描かれているんですって!そのひとつひとつの顔に、この作品を喜んで見てくれた子供たち(この絵本になる前に、紙芝居やパンフレットなどに登場していたそうです)、これから見てくれる方々の顔を考えて描いたんだそうです。かこさとしさんのあたたかさが伝わってきます。 (ぽぽろんさん 20代・ママ 女の子4歳、男の子2歳)
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