かまえて、かまえてー!
土俵入りしたのは全国から集まった「すし力士」たち。
いかのしん、イクラまる、さばのしん、サーモンざくら。
たこのつぼ、うなぎのまき、たまごのさと…みんなそれぞれ個性的。
だけどやっぱり注目は横綱・おおとろやま。
見るからに美味しそ…いえいえ、強そう! 堂々たる風格です。
はっけよーい、のこった!
いかのしんとたこのつぼ、姿の似ている二人のライバル対決。
サーモンざくらといくらまるは、海を隔てた遠い親戚同士対決。
ネタとネタの真剣勝負は、それぞれの特性を生かした技の応酬合戦。
見たことのない取り組みが、迫力満点に展開されていきます。
とんでもないのは、こんなに面白い内容なのに…
絵がとことん美しいということ!
確かな画力で描かれるネタの新鮮味、歌舞伎の隈取を思わせる洒落た顔と表情、泥臭い試合の繰り返しのはずなのに全体に溢れる透明感。
この不思議な世界観にどんどん惹きこまれていきます。
実際に新鮮なネタとネタを食べくらべては、今日の横綱を決めてしまうという作者のアンマサコさん。のれんをくぐった時の…という話になるほど納得。そうなるとこの試合、やっぱり新鮮さも大事になってきますよね。
そして結びの一番は、東の横綱おおとろやまに西の横綱かいせんちらし。
ああ、やっぱり横綱は強い!! 勝負はいかに…?
大きさが全然違う両力士の名勝負、ぜひ絵本でお楽しみくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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