なんとも奇妙で、独特な絵本が登場しました。
ねこです。
ただただ、ねこなんです。
こんな変な顔のねこ、いないでしょう?
いいえ、ねこです。
これはモップでしょう? あれはオモチでしょう? それはおまんじゅうでしょう?
ほとんど、だいたい、ねこなんです!
どーんとこちらをにらむねこの表紙から、ラストには見開きいっぱい、ひしめくねこ、ねこ、ねこ!
チョウチョを追っかけ飛び跳ねて、お尻を突き出しおおあくび。
どこかまぬけな表情だったり、体を丸めているとなにか別の物体に見えたり、そんなねこたちの様子を写実的に描き出し、ねこの魅力をあらたな側面からとらえた一冊です!
なんだかぐにゃぐにゃとやわらかくって、抱くとむにょーんと体がのびるし、身をちぢめるとまん丸に。
ねこって、なんだかふしぎな生き物ですよね。
でもなによりふしぎなのは、ぶさいくなほど、なぜだかかわいく見えるというところ―――
とってもいとおしくて、ちょっぴり笑える一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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