源平絵巻物語の最後ではありますが、すでに平氏は滅亡しているので、この話の中心は義経と弁慶の最期でもあります。
平氏追討で始まった話ではありますが、最後は骨肉の争いというのが、皮肉にも感じられます。
このようなことになったのも、一つには猜疑心の強い頼朝の性格にもあるでしょうし、
義経の人気にもあるんでしょうね。
また奥州の藤原氏の台頭を許さないという頼朝の強い心の現れでもあります。
いろいろな事柄が混じって一筋縄ではいかないところがやはり歴史物という感じがしました。
戦の赤が効果的に使われた作品で、絵もとても印象に残りました。
一巻から十巻まで読みとおすと読み応えもあり、また歴史もわかるシリーズです。