ぐっと冷え込んだ寒い冬の朝、地面の上を踏むとざくざくと音をたてる、しもばしら。
地表をぐぐっとおしあげて、にょっきりと白く輝く氷の柱をみせてくれる、しもばしら。
そんな不思議な「しもばしら」の写真絵本です。
さあ、ページをめくって、しもばしらが育つところを見てみましょう。
地面の上のちいさな氷のつぶから、しもばしらのあかちゃんが生まれて……。
このあかちゃんはどんなふうに育つのか。
急に冷えるか、ゆっくり冷えるか。
土の中の水の多さや少なさ。
「そうだったのか!」と親子で感動できる、しもばしらの成り立ちや種類があざやかに写真で切り取られ、ぎゅっと収められています。
いろんな形のしもばしらがあるのは、こういう訳だったのですね。
何より「しもばしら」の写真絵本、ながめるだけで癒されてしまうのはなぜでしょう。
水のしずくから氷になる……。だんだん形になっていく……。
美しくも不思議な世界を、シンプルな言葉と写真でわたしたちに伝えてくれます。
本書は「ちしきのぽけっと」シリーズの一冊。
地面の水がすこしずつ冷えて凍るときにできるちいさな氷「しもばしら」が、大きな石をもちあげるほどの力を発揮することを、親子で驚きつつ楽しんでくださいね。
身の回りの小さな自然科学に、目をひらかされる一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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