リスくんと、クマくんと、ウサギさん、そしてサルくん。
からだの大きさも、性格もバラバラの4人が遊んでいます。
すると先生が声をかけます。
「あしたの運動会の準備、てつだってくれるかしら」
クマくんが「おてつだいは、ぼくひとりで だいじょうぶだよ」
リスくんもウサギさんも「ぼくが する!」「わたしが、やるの!」
大騒ぎです。あらあら、ちゃんとお手伝いできるのかな。
棚の上のかごをおろすのは、手が長くて木登りが得意なサルくん。
狭いすきまに転がっていった赤い玉を拾いにいけるのは、もちろん体の小さなリスくん。
じゃあ、大きなダルマを運ぶのは?
つなひきのつなを運ぶのはどうしたらいい?
みんなそれぞれが自分の得意なことを率先してやります。
そう、これが「できること おてつだい」なのです!
なんて素敵な方法でしょう。
自分ひとりじゃできなかったことが、どんどんできていきます。
くすのきしげのりさんの「すこやかな心をはぐくむ絵本」シリーズ5作目は、認め合い、協力し合う動物たちのすがたを、ゆかいにのびやかに描きます。
子どもらしい発見、だけど「じぶんができることを率先してやる」というのは、これから大人になって仕事をしていく上でもとっても大事なこと。いつかリスくんたちのやりとりを思い出す時があるのでしょうね。
本に挟みこまれているリーフレットには、作者のことばや読み聞かせのコツ、子どもたちの「こころ」についてのコラムなどが掲載されています。こちらも読みごたえありますよ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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