雪は白くて、軽くて、静かに降り積もるもの。
多くの人がそんな認識を持っている様に思います。
でも、きくちちきさんの描く雪は、とってもフシギ。
明るい黄色をしていたり、薄いピンク色だったり、
モスグリーンに覆われていたり。
……もしかしたらこれは、動物たちの目から見た雪の様子なのかもしれません。
ある森に今年はじめてとなる雪の訪れ。
リスたちは「わたがしみたい」と無邪気に言い、
うさぎは「たべものを かくさないで」とお願いし、
くまの親子は穴の中で、「じっと よりそう」。
雪を目にしたときの動物たちの感想が、1ページ1ページ、
丁寧に描かれています。
雪はどんどん激しくなり、さえぎられる視界と聞こえてくる白い音に
不安を感じそうになるころ、「ふれふれ いっぱい ふれふれ」と明るい声が届きます。
雪を喜ぶその動物とは……。
『しろねこくろねこ』(学研)で、
ブラティスラヴァ絵本原画展「金のりんご賞」を受賞した、きくちちきさんが
自身が生まれ育った北海道の原野に降る雪をイメージして描いた作品です。
(木村春子 絵本ナビライター)
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