マスターさんは、天気のいい日はいつもお気に入りのどうぶつえんへ出かけます。
マスターさんはどうぶつが大好き。
どうぶつたちもマスターさんが大好き。
その証拠に、マスターさんがどうぶつえんの門をくぐると、
ゾウが「パオーン」と喜んで鼻を鳴らします。
一日中どうぶつえんで過ごすマスターさん。
帰る時間になると、なんだか悲しい気持ちになります。
天気が雨や雪の日は、どうぶつえんに行けません。
マスターさんはどうぶつたちが恋しくなります。
どうぶつたちも同じ気持ちでした。
そんなある日のこと。
飼育係のおじさんが居眠りをしている間に、
ゾウがこっそり檻の鍵を抜き取りました。
そしてその夜……。
『ふたりはともだち』『どろんここぶた』など、世界中にファンを持つアーノルド・ローベルのデビュー作!
どうぶつたちやマスターさんの表情はシンプルでコミカルに描かれているのに、その喜怒哀楽が不思議なほどはっきり伝わってきます。
マスターさんが帰る時に見せるどうぶつたちの悲しそうな顔、アパートまで訪ねて来た時のワクワクする顔、どうぶつえんに連れ戻されそうになった時に見せる怒った顔。そのどれもがとってもかわいらしい。
こんなにもどうぶつたちに愛し愛されるマスターさんがうらやましくなります!
そしてなんとも嬉しいハッピーエンドに拍手したくなる絵本です。
(福田亜紀子 元絵本編集者)
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