はたらく車って、どうしてあんなにかっこいいんでしょう。
救急車、パトカー、ダンプカー、ごみ収集車……。
歩道で釘づけになっている子どもを、私も道でよく見かけます。
そんなお子さんにぜひ読んでいただきたいのが、この絵本です。
ちっちゃなバートは工事現場を見るのが大好きな男の子。
ロードローラー、コンクリートミキサー車にクレーン。
「ぼくもあんな機械を動かしてみたいなあ」というのがバートの夢です。
工事現場で働くおじさんたちは、
「入っちゃだめだよ。子どもが入ったらおまわりさんがくるんだよ」
といつも見に来ているバートに言い聞かせるのです。
ある日のお昼休み。
作業をしているおじさんたちも事務所に戻って休んでいます。
そんなとき、年上のハンスとケースに「工事現場に入るのがこわいんだろ」とからかわれたバート。
「ちがうよ」と答えたバートは、少し考えたあと、なんと工事現場に入ってしまうのです!
そしてロードローラーを動かして道路に出ると、
停まっていた車を
ごろごろ ぐしゃん!
とつぶしてしまいます。
それだけではありません。
今度はコンクリートミキサーにのり、道の上にコンクリートを流します。
ぐるぐる どろろ〜ん!
いくらなんでもやりすぎです。
ところがさらに、クレーンを動かしはじめます。
ついにパトカーが駆けつけてくるのですが……。
バートはどうなっちゃうんだろう、とハラハラしてしまいます。
ところが、このあと、驚きの展開が待ち受けているのです。
えっ、えっ、どういうこと?
と、びっくりして、絵本を最初からじっくり眺め返さずにはいられません。
大判な造本で、絵がのびのびしていてカラフルで、見どころ満載です。この“絵”に注目して読むと発見があるかもしれませんよ!?
本書がオランダのすぐれた児童文学に贈られる「銀の石筆賞」を受賞しているのもうなずけます。痛快さと驚きにあふれた絵本、ぜひ手に取ってみてください。
(絵本ナビ編集部)
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