「かぼちゃ へんかしら そうかしら」
ん?
「ばったー へんかしら そうかしら」
……へん、じゃないですよね?
どういうことでしょう。
あ!絵本を見れば納得。
これは確かになんだか、へん。
続けて「ふたこぶらくだ」、「ほしうお」に「くも」も。
見れば見るほど、結構へんです。
つまりこれは、同音異義語を使った言葉遊び絵本。知っている言葉が増えれば増えるほど、時々ひっかかるのが同じ発音なのに意味が違ってくる言葉。「はな」は花なの?鼻なの?っていう、あれです。日本語にはそんな言葉がいっぱい。
「どういうこと!?」と叫ぶ前に。
「どうしておんなじ響きなの!!」と頭を抱え込む前に。
内田麟太郎さんと高部晴一さんコンビがつくり出す「ナンセンス絵本」の世界にどっぷりはまってみるのがおすすめ。だって、広い野原で大きなバッタがバッターボックスに立ち、かっとばそうとしている姿を見てください。「ほしうお」が美しい夜空に堂々と浮かんでいる姿を見てください。こんな「へん」な世界を味わえるのは、日本語がちょっとややこしいからこそ、なんじゃないかしら。
……考え方、へん?
そうかしらね。
とにもかくにもジワジワと笑いが込みあてくるこの絵本。多色多版のガリ版で描かれた味わい深い絵と合わせて「クセ」になりそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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