エトとぼくは大の仲良し。特に、段ボールを丘の上にひっぱっていって箱の中で遊ぶのが最高におもしろいんだ。王様になったり、空を飛んだり、海賊になって荒れくるう海をつきすすんだり。
エトとぼくは、いつも一緒。遊ぶ時も、だまっている時も。ぼくは「ふたり いっしょ」が大好き。
ところがある日、知らない男の子がやってきた。その子の名前はシュー。そして言ったんだ。
「なかまに いれてくれる?」
エトはシューとどんどん仲良くなっていく。だけどぼくは、なんだか仲間外れになったみたいな気がして……。
新しい出会いに対して、その距離のとり方は子どもによって様々。すぐに仲良くなってしまう子もいれば、すぐには受け入れられない子だっている。大好きな友だちがとられてしまうような複雑な感情というのは、味わったことのある人ならすぐに理解できますよね。
二人から三人へ。この新しい関係がすぐに上手くいくための答えというのは、大人にだってわかりません。でも、遊んでいるうちにいつの間にか仲良くなっていく姿を見ると、やっぱり子どもってすごいなと思うのです。
エトとシューとぼくが織りなす心温まる物語を楽しみながら、三人のそれぞれの魅力を味わってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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様々な出会いがある子どもたちに手渡したい、友達を受け入れるまでの心温まる物語
ぼくとエトはとっても仲良し。いつも丘の上に段ボール箱を運んで遊んでいた。
あるとき、シューがやってきていっしょに遊びたいと言った。
エトはシューと仲良くする。
ぼくは仲間外れになった気がして、2人から離れていった。
「もう丘になんか行くもんか」そう思っていたある日、エトとシューがぼくを呼びにきた。「君に、いいもの作ったんだ」それは、巨大な段ボールの車!2人の遊びに加わるぼく。3人の新しい関係が始まる。
担当編集者より
大好きな友達がとられてしまったような気持ち。皆、一度は味わったことがある感情なのではないでしょうか。特段の解決策があるわけじゃない。いっしょに遊ぶことでしぜんと仲良くなっているというのが、この作品の魅力です。
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