ある日、ととさんが腹が痛くなったと訴えると、かかさんに「お寺の和尚さまに聞いてみるといい」と言われ、お寺に出かけていった。
「そりゃあ、腹の中に虫がいるせいだ。
かえるを飲むといいぞ」
和尚さんに言われた通り、ととさんがかえるをぺろっと飲み込むと、かえるが腹の虫を食ったので、腹痛が治って調子いい。ところが今度は、かえるがぺたらくたら歩いて気持ち悪い。
「へびを飲むといい」
言われるがまま、へびをぐーいと飲み込んで……!? 驚きの展開を見せ始めるこのお話。あっけにとられている間にも、ととさんは、次から次へと色々なものを飲み込んでいくのです。さて、いったい最後にはどうなってしまうのでしょう?
とんとん進んでいきながらも、気がつけば子どもたちの笑いが止まらなくなって。大人も一つ一つの出来事に考え込んでいる場合じゃありません。カラッとテンポよく読んであげて、大きな声で笑っちゃうのが昔話の醍醐味ですよね。ああ、面白い。
新潟県の「まわりもちの運命」という昔話が元になっているというこの絵本、最後はきれいに節分のお話に結びついていくのですが、どの時期に読んでも楽しめますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ある日、ととさんのお腹が痛くなり、お寺の和尚さんに相談に行くと、和尚さんは「お腹に虫がいるせいだから、蛙をのむといい」と教えてくれます。教わったとおりに蛙をのみこむと、お腹にはいった蛙が虫を食ったのでお腹の痛いのはなおります。でも今度は、お腹の中で蛙が歩くので気持ちが悪くなり、また和尚さんに相談すると、「蛇をのむといい」といわれます。蛇の次は雉、というように前にのみこんだものを食べる動物を次々とのみこみます。その後は、雉を撃つ猟師をのみこみ、次に鬼をのみこみ、最後はお腹の中の鬼を退治するため和尚さんが「鬼はそとー」と、ととさんの口の中に豆を投げ込むと、お腹の鬼は「これは節分の豆だ。痛い痛い。たすけてくれえ」といって、尻の穴からとびだし逃げていくという落ちになっています。
このような聞いて笑える昔話は、とくに子どもたちの好むところです。節分の時期だけでなく、何度も何度も親子で読んでお楽しみください。
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