いつもひとりぼっちのライオンは、ともだちが欲しいと思っていました。ところが、動物たちはライオンを見ると怖がって逃げてしまします。今日も、お腹を空かせたライオンは、2ひきのウサギをぺろり。
「ああ、もしも だれも たべないで いきていけたら
わしにも ともだちが できるのに……」
そんなことを考えていたある日、ライオンの目の前に現れたのはウサギのあかちゃんです。ライオンは決意します。
「そうだ! わしが このこを そだてよう」
それからライオンとウサギは、まるで本当の親子のように暮らしました。ウサギが「はやく父さんみたいに大きくて立派なライオンになりたい」と言うと、ライオンは「わしは小さな花になりたい」と言いました。ある日、ウサギが森へ行くと、サルたちから「おまえはライオンじゃなくて、ウサギだよと」と笑われてしまいます。泣きながら帰ってきたウサギに対して、ライオンは……。
手芸絵本作家*すまいるママ*による、心ゆさぶるライオンとウサギの親子の物語。2017年に刊行された作品が新装版となって登場です。その魅力は、布やフェルトによって描かれた思わず触りたくなるような質感の絵に、悲しくも優しさに満ちたお話。
「とうさん ぼくを たべて!!」
お互いを思い、涙を流しながら、でもライオンは動物を食べなければ生きていけないとういう事実は変わりません。それでもライオンは幸せだったのです。もうひとりではなかったのです。親子で一緒に味わってみてくださいね。巻末には手芸のコーナーもあります。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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