1972年刊行以来のロングセラー『あかいありとくろいあり』の40年以上ぶりの続編です。
赤ありのぺっちゃん、なっちゃん兄妹が通う「あかありしょうがっこう」では、1年生から6年生まで、秋遠足をすることになりました。
遠足の場所は、「ぼたもちやま」。
『あかいありとくろいあり』では1年生だった妹のなっちゃんですが、いまは2年生。
ぺっちゃんも6年生になりました。
うれしくてたまらないなっちゃんですが、みんなは「ぼたもちやまは、高さが8千ミリメートルもあるすごいとこなんだって」とか、「途中、こわいことやおそろしいことがあるらしいわよ」とおどかします。
さあ、いったいどんな遠足になるのでしょうか。
見どころは、子どもたちを守るため、小学校の生徒たちといっしょに山に登るPTAありの個性豊かな4グループ!
長棒をもった強いお父さんありたちの「せんとうぜんしんはん」。
お水やおいしいおやつを提供するだけじゃない、お母さんありたちの「きゅうえんきゅうしょくたい」や、おばさんたちの「だんけつだんごだん」が、それぞれ大活躍します。
そして締めくくりは、「くみたてこうさくぐみ」のあざやかな手腕!
かこさとしさんならではの、活劇風のわくわくするストーリーをどうぞお楽しみに。
かつて子ども会の活動で、遠い丘陵に子どもたちを連れ出し、そこでの親御さんたちとの交流がよい刺激になった、と語る作者のかこさとしさん。
あとがきを読むと、実際の子どもたちとの触れあいが作品に多くのヒントを与えていたことがわかります。
子どもたちがのびのびと生活し、学び、楽しむことに、愛情を注いできたかこさとしさん。
春を描いた前著『あかいありとくろいあり』とあわせて、本書、秋の『あかいありのぼうけんえんそく』も読んでみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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