神社を見守るおいなり様や、お店にいる招き猫、はたまたお祝いごとでふるまわれる鯛など、日本には、福を呼ぶとされているありがたい動物がたくさんいます。
なじみやすく誰にも愛されるかわいらしい画風で、そんな「えんぎがいい」動物たちを紹介する本作。
ぴょんぴょんはねるウサギや、子どもをたくさん生む犬など、生態から連想して縁起が良いとされている動物。
おいなり様をはじめとした、神様の使いであるとされて神社に祀られている動物。
名前が縁起の良い言葉と似ている動物。
こうして学んでみると、縁起が良いとされる動物がこんなにもいるのかとびっくり!
改めて身の回りをふりかえってみると、縁起ものの動物たちが私たちの生活にあまりにも自然になじんでいることに、また驚かされます。
そしてみどころは、名前が縁起の良い言葉と似ている動物たち。
「ふくろう(不苦労)」だから「苦労をしない」や、「おめで鯛」など、彼らはいわゆる「ダジャレ」で縁起が良いとされているのです。
そんな縁起の良い「ダジャレ動物」を自分で考えてみるのも、楽しいかも知れませんね。
ありがたみがない?
いえいえ、たとえば「置くとパス」するからと、受験に縁起の良いとされるタコが現れたのは近年のこと。
案外あらたかな御利益があるかも?
長く子どもたちに伝えていきたい、日本人の生活に深くかかわるユニークな伝統を学ぶことのできる一冊。
(堀井拓馬 小説家)
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