一週間の真ん中水曜日。おやおや、いつも朝寝坊のケロちゃんが早起きして張りきってますよ。なぜかって……今日は月に一度のお買い物の日だから! 友達のかいちゃんも一緒に、バムが運転する車に乗って市場へお出かけです。
市場はたくさんのお店が出ていて、今日もとってもにぎやか。最初に寄るのは生地屋さん。ケロちゃんの新しいチョッキをつくるのです。ケロちゃんが選んだ生地は……。さらに八百屋さんにドーナツ屋さん、ちょっとおかしなハムスターのお店にも寄って。お腹がすいたら、みんなでお昼ごはん。あれ、ケロちゃんがいない? 気が付くと、ケロちゃんは扉がいっぱいある不思議なお店に入っていくところで……。
ああ、おかいものって、なんて楽しいのでしょう! それぞれのお店には所狭しと可愛いものから珍しいものまで並んでいて、おいしそうな食べ物もたくさんあって、なかには使い道のわからないものまで。ケロちゃんの選んだその古いフライパン、底がぼこぼこね。
島田ゆかさんの大人気シリーズ「バムとケロ」の第4作目はおかいものに行くお話。もうこれはファンにはたまらない場面の目白押し、なにしろ島田さんの描く小物たちにはどれ一つもれることなく愛情がこもっていますから。絵本の隅の隅まで、いくら眺めていても飽きることはないのです。おまけにシリーズを通して密かに活躍し続ける「あの子」たちを探し出すのもたまらない時間です。
さて、おかいものから帰ってきて買ってきたもの全部を広げてしまうのも大きな楽しみの一つです。だけどさすがにみんなお疲れで、そのままスヤスヤ……。最後の最後は、ケロちゃんからのサプライズでしめくくり! だからケロちゃんって好き。今回も可愛いお話です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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