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体を動かすのも話すのも不自由なりんちゃん。でも幼稚園ではみんな友だち。親友のみっちゃんが「ねこざぶとん」の話をしてくれたのがきっかけで思わぬドラマが展開します。
「たけのこほり」を読んで以来、この本もぜひ読んでみたいと思いながら、3,4年の月日が経ってしまいました。「
たけのこほり」のレビューにも書きましたが、障害のある子が本当に自然なかたちで、周りの子どもたちの中に溶け込んでいる、そんな当たり前のようでいて、未だ特別なことと見られている光景を、やさしく、温かいまなざしで描き出してくれる浜田桂子さんの作品。どれもじわじわっと心に響いて、心の奥深くに残るものばかりです。
このお話にも、浜田さんの絵がぴったりですね。
娘は、表情を変えずに、じっと聞いていて、あまり反応がわからなかったのですが、りんちゃんがペカンの木に登った瞬間、
「ああ、よかったね。りんちゃん、登れてよかったね!」と、本当に輝いた笑顔で言ったのが、私にとっても、うれしい、うれしい瞬間でした。
ずっと静かに、でも、気持ちは1つにして、りんちゃんのことを応援してくれていたんだね。
2回目からは必ず、歌の部分に来ると、「リーんちゃん がんばれ、せーんせい おとすなよ」と、心を込めて娘が歌ってくれるようになりました。
りんちゃんは、どんなにうれしかったでしょう。そして、みっちゃんや、周りにいた他の子たちも、どれほど心の底から喜んだことでしょう。
「窓際のトットちゃん」にも、こんな場面がありましたね。みっちゃんも、トットちゃんと同じように、大人になっても、ずっとずっとこの日のことを忘れないでいるだろうと思います。 (ガーリャさん 40代・ママ 女の子6歳)
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