登場するのは、素敵なひげに、オシャレなスーツ、帽子もかぶって、なんだか立派なおじさんです。ところが…
このおじさん、とことんツイてない。
遠くの町に住んでいるお友だちに書いた手紙をポストに入れるために、部屋を出ます。すると、階段からだだだんっ。外にでれば上からおふとんがどさっ。よそ見していれば、なぜか犬の綱を足につながれ、お気に入りの帽子は自動車にひかれてぺっしゃんこ…おじさんは、もうすっかりへろへろ、ヨレヨレです。でも、まだまだおじさんの一日は終わらない!?
「こんなことってある?」
でも。でも…なんだか可笑しくなってきちゃうのです。あまりにも不運に不運をかさねていくおじさん。その見事なドタバタとヘロヘロは、まるで喜劇。子どもたちの笑いを誘うのです。
それでね。最後の最後にまたおじさんの不運はやってくるんだけど…最高に素敵な瞬間が待っているんですよ!
読んだあとは、まるで映画を一本見終わったあとみたいな気持ち。
ありがとう、へろへろおじさん。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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