「ねぇねぇ、あたし、漢字でなまえかけるよ!」
「川田まゆ」自分の名前を漢字で書いて見せるまゆちゃん。
みつおくんの名前は漢字で書くと「田中光生」、まゆちゃんと同じ「田」を使っているね。
「田」は田んぼの形からできた漢字。真ん中の「十」は、田んぼの道を意味しているんだって…
そんなとき、、事件は起こった!
な、な、なんと、「田」の中から、真ん中の「十」が逃げちゃった!?
「漢字の絵本」だと安心して読み始めたら、思いもかけない展開が待っていました。
だって「十」くんは、ずっと窮屈だった「口」の中から飛び出して、遊びにでかけちゃったんですから。
でもこのままじゃみつおくん、「口中光生」になっちゃうよ。
「十」を見つけ出して、なんとか「田中光生」の「田」に戻さなくっちゃ!
みつおくんのお兄ちゃんを団長に結成された「かんじたんけんだん」が、「十」の行方を追跡です。
顔の国を探してみたり山や森に立ち寄ったり、ちょっと一休みしてみつおくんの家でおやつタイムにしたり。
「十」くん探しをする中で、子どもたちにはたくさんの漢字との出会いが待っています…その数22個、全て1・2年生で習うもの。
「目」「口」「毛」って、顔の目、口、毛を絵であらわした文字が漢字に進化したんだね。
「木」がいっぱいあるところは「森」、森よりも木が少ないところは「林」。
一番おおきいケーキを食べたい!手足を大きく広げたのが「大きい」って漢字。じゃぁ「小」はどんな形をあらわしたもの?
文章を担当しているのは絵本の翻訳などを手がけられてきた灰島かりさん。
楽しくたんけんしながら漢字のなりたちや意味と自然に触れあえるストーリーは
小さな子どもたちが漢字と友だちになるきっかけとしてぴったりです。
巻末には作品の中に登場した「絵文字書き順表」なるものが付いているのですが…これまたおもしろい!
お絵かき感覚で漢字を覚えられちゃうこんな一冊を、子どもも大人も首を長ーくして待っていました。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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