チーターってかっこいいですよね。
世界一速いと言われる足で、サバンナを駆けるしなやかな体。
そう、チーターは、その体のてんてん模様が自慢なんです。
いつもより何だか寒い日のこと。
ぴゅーっと吹いた冷たい風に、思わず体をぶるるるっとふるわせたチーターは、はなをひくひく……。
「ハーックション!」
大きなくしゃみが出たとたん、チーター自慢のてんてん模様も、体から飛び出してしまったのです。
どこへ行ったかというと、まずシマウマ。
白黒のシマ模様なのに、さらに黒いてんてんが付いたら、わけがわかりませんよね。
これってシマウマ、いや、てんてんシマウマ……?
ところが黒いてんてんはまたもやくしゃみに飛ばされて、こんどはもっと大きな体の動物に!
てんてんがあっちに行ったり、こっちに行ったり。
広い空と大地で、ひらひらと舞うてんてん。
チーターのてんてんは一体どうなるのでしょうか!?
作者のみやけまゆさんは、保育士として子どもたちと過ごしながら絵本制作を始めたそうで、これがデビュー作。
動物の姿をうまくとらえつつ、愛嬌がにじむ絵、にやっと笑えるオチが素敵です。
ちなみにわが家の5歳児は、「あのー、くしゃみを……」と弱気にお願いするチーターと、動物たちのくしゃみの音に大笑い。
「グァーックチュン!だって」と真似していました。
読み聞かせのときは、くしゃみの音にメリハリをつけて、思いっきり読むのもおすすめ。
ユーモラスなおはなしを親子で楽しんでくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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