内戦が続くアフガニスタンのある村を舞台にしたお話です。
スモモやさくらんぼがたわわに実る、自然豊かな美しい村、
パグマンに、主人公のヤモは住んでいます。
戦争へ行ってしまったお兄さんの代わりに、
お父さんと一緒に街へ果物を売りに行きます。
村の様子、街の様子がとっても美しく描かれています。
アフガニスタン というと内戦、土ぼこり、廃墟のイメージでしたが、
こんな美しい村もあったんですね。
街の食堂の様子、バザールの様子も
すごく活き活きと描かれていますが、
片足を失ったおじさんが現れたり、
銃を担いだ民兵?らしき人が描かれていたり。
内戦を思わせる断片もあちこちにあります。
スモモとさくらんぼを売ったお金で、
子羊を買って帰るヤモとお父さん。
早くお兄さんに見せたくてたまりません。
お兄さん、早く帰ってこないかな。
そして最後のページ。
次の春に、村は戦争で消滅してしまったと説明が。
すごく幸せな気分で読み進めていただだけに、
この最後のページは衝撃的でした。
戦争は絶対すべきでないこと、
戦争によってたくさんの幸せが壊されることが、
すごくシンプルに、でもすごく伝わってくる絵本です。