ある村の鎮守の神だったてんぐ。
村人たちに信仰され、いつもお供えが絶えなかった。
ところが時がたち、ある時となりの山にお宮ができたら、人々はそちらを信心するように。
お供えをもらえなくなったかわいそうなてんぐどん、どんどん元気がなくなっていく。
そこで、町にでて就職することに、ところが長い鼻がアダとなり、どの職場でも上手くいかず……。
このてんぐ、村人たちを一生懸命守ってあげて、お願いも聞いてあげていたんです。けれども、時がたったら、人々は新しい神様がよくなっってしまったようで。まぁ裏切られたようなものですよね。でも、このてんぐのいいなぁ、さわやかだなぁと思うのは、ぜんぜんそれを恩着せがましく言わないところ。
そっかぁ、リストラかぁ、じゃっ新しい仕事さがそっかな。じゃないとおまんま食べられないからナー。っていうサッパリ感。
その後、『ぐるんぱのようちえん』よろしくいろいろ職探し。でも、ぐるんぱと違って、可哀想感より、おかしさが漂うのは、このてんぐどんの性格でしょうね。
もちろん最後は良いお仕事に就けます。
大人にとっては、不況の現代になんかヒントがある一冊といえるかも。
もちろん、子供は純粋に楽しめること請け合いです。