ワタルくんがカエルのきょうだいにあげた「うみ」は
ワタルくんがだいじにつかっていたあおいバスタオルです。
バスタオルなのに、読んでいてほんとに海のひろがりを
感じました。潮風の匂いも。ホタルのひかりがとうだいと
なるのも素敵でした。
読んでいるうちに、自分が小さなカエルとなってしまったと
いうのではなくて、ほんとに目の前に大きな海があらわれた
ような気持ちになったのです。
『うみをあげるよ』というタイトルも、うれしくなります。
村上さんの絵がやっぱりいいのだなあというのも、もちろん
ありますが、山下さんが幼少期、瀬戸内海の能美島で過ごした、
ということもあるのだろうなあって思いました。
この絵本は「山下明生の海の絵本」シリーズのうちの1冊なの
ですね。他の絵本も読んでみたいです。