神戸の沖縄料理店を営む家族と、そこに集う人たちの人間模様の奥にある悲しみにたどり着いたとき、忘れ去られた沖縄の裏側に動揺を隠せませんでした。
観光地であり、米軍基地の島でもある沖縄の人たちは、どのような思いで戦争を生き抜いたのでしょう。
日本と沖縄は別の世界であったことを無視してはいけないと感じました。
日本兵に強要されて集団自決させられた沖縄の人たちにとって、日本兵は味方ではなくて鬼でしかなかったでしょう。
昨年は戦後80年ということで、様々に戦争記憶が掘り起こされましたが、その中で心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しみ続けた人たちが戦争を背負い続けてきたことも知りました。
まさにふうちゃんのお父さんが払拭しきれなかった心の傷でした。
また、物語の中に登場する人たちは、神戸の人たちからは「沖縄者」と揶揄されながら、戦中戦後の苦しみと向き合ってきたことを知るにつれ、なかったことにはできない傷を抱えて、懸命に生きようとしている姿が浮かび上がってきました。
ある意味児童向けの明るい物語に見えて、伝えたいことの大きさを秘めた大作でした。