石川えりこさんのおばあさんが、カナダ生まれでベッシーちゃんと呼ばれていたという思い出話から、おばあさんのルーツをたどったこの絵本は、戦前のカナダへの移民と、戦争によって絶たれてしまった親への思いを深掘りした作品になっています。
自分は、ブラジルやハワイ、アメリカ本国への移民についてはいくらか知っていたのですが、カナダという国は新鮮でした。
おばあさんベッシーの幼い頃の風景と、石川さんがおばあさんと遊んだ風景の対比的な描き方がとても印象的です。
おばあさんが日本で教育を受けるという「日本留学」という逆転構造が不思議です。
おばあさんは一人、日本の親戚に預けられたのですね。
日本とカナダの暮らしの違い、当時の日本の子の見つめる目が印象的です。
そして何よりも、戦争体験が変えてしまった生活に、考えさせられることが大でした。
はさみ込みの解説リーフレットで紹介されていた、河原典史さんの「カナダ日本人移民の子供たち - 東宮殿下御渡欧記念・邦人児童写真帖」、読んでみたいと思います。