パンダの顔がトレードマーク、パンダのパンやさんのふっくら食パンとロールパンとコッペパンは大人気。毎日、朝から焼きたてのパンを待っていたお客さんで大賑わいです。
お昼がひと段落したら、今度はパンの配達。
パパパパ パパパパン……後ろにこぱんだも乗せて、バイクで出発です。
まわるのはいつものお得意さん。
「いつも ごくろうさま。」
うさぎの和菓子屋さんに犬のお蕎麦屋さん。
ライオンの喫茶店にトラの中華屋さんも。
みんなパンダのパンやさんの美味しいパンが大好きなのです。
あんこと一緒に食べたり、朝コーヒーと一緒に食べたり。
思い思いに楽しみます。
ああ、いいなあ……町のパンやさん。
こんな風に生活の一部になっているのがよく伝わってきます。
パンやさんとこぱんだの方も、みんなに挨拶したり、寄り道したり。
仕事中でも楽しそう!
なんだか懐かしく、どこかで出会ったことのあるような人たちと、いつか入ったことのあるようなお店が次々に登場するこの絵本。それもそのはず、全て実際のお店に取材に行って描かれているのです。台東区にあるこどもの本の出版社「金の星社」さん創業100周年記念として制作された作品なのです。読んでみれば、なんだか町の住人になったような気持ちになれて、嬉しいような、ほっとするような。
絵本の中のパンやお蕎麦やあんみつが食べたくなったら、絵本を持って出かけてみるのも面白そうですよね。世界がきっと広がるはず。私もクリームソーダ、飲みにいこうかな。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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