歩道の敷石の隙間に、街路樹の木肌、校庭のすみ、コンクリートの塀の下にも、コケは見つかります。ルーペを近づけて見てみると、そこはまるで森のよう! さまざまなコケが入り交じって生えており、そのひとつひとつが独特で精緻な姿を見せてくれます。
その姿は恐竜が現れるよりもずっと前、4億年も前から、ほとんど変わっていません。何ヵ月も氷づけになったままでも、何年も乾燥したままでも、枯れずに生き抜くコケもあります。子孫や仲間を増やすには、胞子を飛ばして増えるだけでなく、体の一部を切り離して増えることもできるのです。
身近なのにほとんど知られていないコケの美しさと不思議な生態に迫ります。
(「たくさんのふしぎ」2001年6月号で刊行された作品です)
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