サンタのおまじない
- 作・絵:
- 菊地 清
- 出版社:
- 冨山房
絵本紹介
2025.11.20
クリスマスは、準備も特別なひとときですよね。ツリーに新しいオーナメントを追加したり、アクセントカラーを変えてみたり、毎年ちょっとずつ変化を持たせるのも楽しみのひとつです。
今年はぜひ、クリスマス絵本をデコレーションにプラスしてみませんか。赤と緑のクリスマスカラーが映える絵本、キラキラ雪の結晶が華やかな絵本、聖なる夜にぴったりのクラシカルな絵本。棚にそっと飾るだけで、クリスマス気分をグッと高めてくれます。
サンタのソリになって子どもたちにプレゼントを届けたい! そんな夢を見る真っ赤なソリが主人公。心温まる物語『ちいさな赤いそり』は、NYタイムズベストセラーリストにランクインした注目の一冊です。
クリスマスの定番ソングとしてもおなじみの物語『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』は、85年の時を超え、初版と同じイラストで日本に上陸。当時の雰囲気を感じるチャーミングなトナカイが心をくすぐります。
海外の絵本のほか、つかさおさむさん、三浦太郎さんや嶽まいこさんが描いたクリスマス作品も味わい深く、ギフトにもぴったり。ぜひ手にとってお気に入りの一冊を見つけてください。
みどころ
クリスマスイブ、けんちゃんに届けられた荷物は…けんちゃんのきらいな野菜がたくさん!
でも、こんな手紙が添えられています。
「ひとつずつ てにとって
『いち にい サンタ!』と おまじないを いってね」
なんだか面白そうです。
けんちゃんは早速ためしてみますよ。
ピーマンを取り出して、「いち にい サンタ!」
すると、ちょきちょきぱちん。
ピーマンが細かく刻まれていき……いつのまにか大変身。
きらきらひかるお星さまが飾られた「あれ」になっちゃった!!
すごいすごい、これは魔法です。
しいたけは、ゆらゆらゆれるあのおもちゃ。
なすは、にゃおにゃお鳴く可愛いあの子。
そしてトマトは……あかい帽子に赤い服!!
驚くような変身が繰り返されるこの絵本は、楽しい「切り絵」の絵本。
シンプルな野菜の形をした色紙が、どんどんハサミを入れていくとまさかのものに。
これは大人でも感激してしまいます。
クリスマス、親子で一緒に読んで楽しんで。
少し大きくなったら、ぜひ挑戦してみてくださいね。
例え、絵本みたいに上手にできなくても、心に残る時間になりそうです。
出版社からの内容紹介
ちいさな赤いそりには、おおきな夢がありました。「いつかサンタさんのそりになって、世界中の子どもたちにプレゼントをとどけたい!」
ちいさな赤いそりは、サンタクロースに会って夢をかなえるために、みんなの「できっこない!」という声を尻目に、北極に向かいました。険しい道を進む途中、助けてくれた汽車のおじさんやトラックのお兄さんの話を聞くうちに、あせらないで一歩ずつ夢に向かって進めばいいのだと思うようになります。それでも、今年のクリスマスに北極にたどり着けなかったとがっかりするそりの前に、サンタクロースからの嬉しい置き手紙がありました・・・! NYタイムズベストセラーリストにランクインした、美しいイラストとあたたかい物語で綴られるクリスマス絵本です。
みどころ
「真っ赤なお鼻のトナカイさんは……♪」でおなじみのクリスマスソング「赤鼻のトナカイ」。毎年クリスマスが近づくとよく耳にする名曲に、実は元になった物語があることをご存知でしょうか。
その物語が生まれたのは、1939年のアメリカ。
“クリスマスのまえの日のこと。
森で楽しそうに遊ぶトナカイたちの中で、ルドルフだけは仲間はずれでひとりぼっち。
なぜなら、他のトナカイの鼻は小さくて茶色だというのに、ルドルフの鼻だけ赤くて大きくて光っているからです。みんなにからかわれて涙を流しながらも、ルドルフはサンタさんからのプレゼントを楽しみに眠りにつきました。
一方その頃、サンタさんは深い霧に悩まされていました。外は真っ暗でどこへ進めば良いのか分かりません。子どもたちへのプレゼント配りは遅れるばかり。そんな中、サンタさんがある部屋に入ると、そこだけとっても明るくて……。
そこでサンタさんがひらめいた「さいこうのおもいつき」とは!?”
この物語の作者ロバート・L・メイは、老舗デパート「モンゴメリー・ワード」で働くコピーライターでした。無料のクリスマスプレゼントとしてつくられたこの物語には、当時病気の妻を支えながら幼い娘を育てていたメイ自身の想いが強く込められています。「どうして私のお母さんは、みんなのお母さんとちがうの?」と悩む娘に、「みんなとちがうことは恥ずかしいことではなく、愛すべきことなんだよ」というメッセージを込めてこの物語を紡いだのだそうです。
本書は、誕生から85年を経て、日本で初めてオリジナルの絵が使われ、さらに日本初の全訳が実現した特別な一冊。中井はるのさんによる翻訳は、声に出すとまるで歌うようにリズムよく読め、読み聞かせにもぴったり。ところどころにユーモアが散りばめられ、あっという間に物語に引き込まれることでしょう。
「みんなとちがう」ことは決して恥ずかしいことではなく、ちがうからこそ輝けることがあるという励ましのメッセージは、今なお変わらず心に響きます。自分の個性を受け入れ輝きはじめるルドルフの姿、そしてこれまでいじわるをしていた仲間たちが自らの行いを見つめ直す場面には、子どもも大人も多くの気づきを得るのではないでしょうか。多様な個性を認め合う現代だからこそ、より一層大切にしたいものが伝わってくるように感じます。
今年のクリスマスは、85年前から届いた希望のメッセージに思いを寄せながら、親子でこの絵本を開いてみませんか。読み終えたあとに「赤鼻のトナカイ」を歌ったり聞いたりしてみると、感じ方が変わっているかもしれません。赤・白・黒を基調とした洗練された表紙のデザインは贈り物にも喜ばれることでしょう。日本での全訳『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』の誕生によって、物語に込められたメッセージが温かな希望となり、さらに多くの子どもたちへと広まっていきますように。
この書籍を作った人
東京で日本語、英語、台湾語を聞きながら育つ。子どもの誕生を機に、児童書の翻訳や創作をはじめる。『木の葉のホームワーク』(講談社)で第60回産経児童出版文化賞翻訳作品賞を受賞。翻訳作品に「グレッグのダメ日記」シリーズ(ポプラ社)、「ワンダー」シリーズ(ほるぷ出版)、『ドッグマン』(飛鳥新社)、『木の中の魚』(講談社)、『ちっちゃなサリーはみていたよ』(岩崎書店)などがある。東京都在住。
この書籍を作った人
1985年石川県生まれ。東京都在住。金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻卒業。広告、雑誌、Web、パッケージなどでイラストレーションを手がける。イラストレーター、漫画家。"日常の中のふしぎなモノ・コト"をテーマに個展、グループ展など展覧会でも作品を発表。物語や文芸書の装画多数、漫画に『なんてことないふつうの夜に』『世にも奇妙なスーパーマーケット』、絵本に『すきなひと』(作・桜庭一樹 岩崎書店)『すきなこと にがてなこと』(作・新井洋行 くもん出版)などがある。
みどころ
もうすぐクリスマスがやってきます。キラキラ輝く町のイルミネーションも素敵だけれど、おうちに飾るクリスマスツリーって、特別な存在ですよね。
ウィロビーさんのお屋敷に、トラックでツリーがとどきました。青々とした、見たこともないくらい大きなツリー。さっそく大広間に飾りますが、あれあれ、大きすぎて天井につっかえてしまいます。執事のバクスターが木の先っぽをおのでばっさり。ちょうどいいサイズになりました。
切られた先っぽは、小間使いのアデレードへのプレゼントに。アデレードの部屋に飾られたツリーはちょっぴり大きくて、はさみで先っぽをちょきん。その先っぽを庭師のチムが見つけて……。
今度は誰が拾うのかな? 自分のおうちにちょうどいいサイズにするために切られたツリーの先っぽが、見つけた人や動物たちの特別なクリスマスツリーになっていくようすは、まるで魔法のよう。なんとも楽しい気持ちになります。
そしてツリーがおうちにやってきたらどんな飾りつけをしましょうか。みんなのおうちをちょっとのぞいてみましょう。
金や銀のきらきらしたものや、鈴や、はちみつのお菓子や、ポップコーンを糸でつないだものや、チーズで作ったお星様! なんとも素敵なアイディアが満載です。それぞれのおうちのクリスマスの飾りつけもかわいらしくて、見どころのひとつ。
み〜んな笑顔で幸せなクリスマス、いいですね。クリスマスを待ちながら、楽しみに読みたい一冊です。
この書籍を作った人
〈1904-1989年〉佐賀県生まれ。毎日新聞記者を経て、絵本・写真・バレエの研究・評論に活躍。ヘレン・バンナーマン『ちびくろ・さんぼ』をはじめ、シド・ホフ『ちびっこ大せんしゅ』(大日本図書)など、児童書の翻訳を多数手がけた。
この書籍を作った人
1936年生まれ。独学で絵を学び、絵画創作にとどまらず、絵本の原画、書籍の装丁、また小説の執筆にと幅広く活躍する。絵本には、宮澤賢治童話、松谷みよ子、新美南吉らの諸作品の原画のほか、創作絵童話に『はずかしがりやのぞう』(1968)、『ちびっこわにの冒険』(1971)、『おとうさんだいすき』(1995)、『アスカ』(2004)、また歴史絵本の傑作『河原にできた中世の町』(1988)、創作の現場を顧みたエッセイ『絵本の魔法』(2013)などがある。
この書籍を作った人
わだよしおみ(和田義臣)1913年福井生まれ。早稲田大学中退。編集記者、劇作家等を経て、こぐま社の設立に参加、以来絵本出版に専念する。JULA出版局設立時は出版局長として新しい子どもの本づくりをめざす。主著に「こぐまちゃんえほん」(こぐま社)、「プータン・シリーズ」(JULA出版局)など。2006年没。
この書籍を作った人
1948年愛知県名古屋市生まれ。愛知教育大学美術科卒業。「だれのじてんしゃ」(フレーベル館刊)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。 他に「ペンギンたんけんたい」「オレ・ダレ」「オー・スッパ」(以上講談社刊)、「だじゃれすいぞくかん」「おとうさんのえほん」(絵本館刊)などの作品がある。
みどころ
お話の舞台は、寒い寒いクリスマス・イブの夜の町。
おつかいに出ていた女の子が、大きな赤いてぶくろを拾います。
女の子はすぐに思います。
「これは、サンタさんのてぶくろにちがいない」
寒くて困っているだろうから、届けてあげなきゃ。だけど、この広い夜の町。どうやってサンタさんを見つけたらよいのでしょう。サンタさんは今頃きっと、空飛ぶそりにのって煙突から煙突へ……。
だけど、教会の前まで来た時に、彼女は思いつきます。そうだ、この高い塔に登れば!女の子は無事にサンタさんに会えたのでしょうか。てぶくろは渡せたのでしょうか。
真っ黒な背景に浮かびあがる町の灯りや、空から降ってくる白い雪。高い塔から見渡す遠い港や色とりどりの屋根。その全ての美しいことといったら! 三浦太郎さんの描くクリスマスは洗練された、だけどとっても可愛らしく。一目見たら忘れられない景色がたくさん閉じ込められていて。毎年この時期になると開きたくなる、小さな優しい物語です。
クリスマス絵本の新しい定番の1冊になりそうですね。
この書籍を作った人
1968年愛知県生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業後、イラストレーターとして活動。ボローニャ国際絵本原画展で入選を重ね、スイス、イタリア、スペインなど海外でも絵本を出版。絵本作品に、『くっついた』『ゴリラのおとうちゃん』(こぐま社)、『ちいさなおうさま』『おおきなおひめさま』(偕成社)、『バスがきました』(童心社)、『おしり』『よしよし』『りんごがコロコロコロリンコ』(講談社)など多数。
文:竹原雅子 編集:木村春子